2004.4.24 J.LEAGUE DIVISION 2 第7節
モンテディオ山形 2-1 川崎フロンターレ
前半0-0 後半2-1
入場者数:3,241人
得点者:72'我那覇(川崎)、82'大島(山形)、86'根本(山形)

 モンテディオは太田を1列上げて3−5−2でスタート。守備ではその太田が川崎の攻撃の起点であるアウグストを抑えてチャンスの芽を摘んでいく。ビッチ中央ではジュニーニョの個人技で何度かゴール前まで迫られながらも、中盤、ディフェンスの連携でゴールを防いだ。
 攻撃では星をトップ下に置き、カウンターからのチャンスを伺った。前半ロスタイムには、右サイドの太田の折り返しを中央で大島が落とし、そこへ星が走り込んでシュートを放ったが、これは惜しくもゴール左へそれ、前半は0−0で終了した。

 後半は立ち上がりから、川崎の前へのパスがモンテディオの中盤の網にかかるが、奪ったボールはゴール前まで運ぶことができなかった。
 そして後半27分、左からの折り返しを我那覇がゴール前で足元に収め、そのまま左足でゴールに蹴り込んで川崎が先制した。
 これで前掛かりになったモンテディオは攻勢に出る。デーニに代わって入ったばかりの林が右からクロスを入れ、ワントラップして永井がシュート。キーパーが弾いたところに大島が詰めて豪快に蹴り込み、同点にした。
 後半41分には、右サイドにポジションを移していた林がまたも右からクロスを配給。これに途中から今季初出場の根本がニアサイドへ縦に走り込みながら、最後はジャンプして頭で押し込み逆転。4分間と長いロスタイムも落ち着いてプレーし、2−1と首位 ・川崎をねじ伏せた。

 大島の3試合連続ゴール、アウグストを抑え込んだ太田の踏ん張り、古巣を相手にした林の必殺クロス、根本の復活弾など、見どころの多い試合だったが、一方で大塚、レオナルド、デーニ、古川、永井と全部で5枚のイエローカードが乱れ飛んだ。大塚は今季早くも4枚目のイエローカードで、次節は出場停止となる。

■根本亮助選手
 (逆転のゴールを決めて)気持ちよかったです。これまで怪我とかいろいろあって大変だったんですけど。1月22日に手術をして、それからリハビリとかいろいろ大変だったんですけど、無事こうやって試合に出れて、しかも復帰戦でこうやって点取れたんで、それは良かったと思います。
  センタリングシュートとかでもニアに多く入るようにしてたんで、(林)晃平君からいいボールが来たんで、合わせるだけでした。晃平君が結構コーナーフラッグ側にいて、あの体勢からファーに飛んでくるというのはまず考えられないんで、そういうのを考えてニアに入りました。結構いいボールが飛んで来て、ディフェンダーがいなかったので、これはもうチャンスだなってのは自分では分かりました。決めた後はよく憶えないっす(笑)。高く飛んだかも憶えてないです、結構普通に飛んだつもりでした。練習試合(21日、秋田TDK戦)で点を取ってたんで、それと似たような感じでした。
  下が滑る方が球が走るんで僕は好きなんで。シューズもポイントを履いてたので、滑ることなく、久々に楽しんでサッカーやれました。
  怪我の間は、当たり負けしない身体づくりとか、試合に出てもすぐ動けるような身体づくりを意識して、試合のことを考えてリハビリを頑張っていました。みんな外でやってんのに、中で一人でやったり別メニューだったんで、さみしいってのもありました。多少はまだ痛いんですけど、でもプレーに支障はないと思います。練習後と試合後はちゃんとアイシングして氷で冷やして、また頑張ります。
  留学の時辛かったこととか、今回の怪我の辛かったこととか、辛いのは違うんですけどそれに耐えられる力を得てきたっていうか、我慢する力を得たというか、そういうのはブラジル留学が生かされたんじゃないかなと思います。留学してきたのにその後怪我で出られなかったということについては、サポーターが思っている以上に僕自身ショックだったんですけど、でもそれは自分の責任なんで。でも、頑張れば今日みたいなことがあるんで、それを思ってずっとリハビリなどを頑張ってきました。


■林 晃平選手
 勝ってよかったです。(古巣対決で)燃えました。押し込まれてたんで、前のスペースでもっと受けて、ちょっとタメを作れという監督の指示で。アシストのシーンは、とりあえず前に抜けたんで。で、中見たらネモ(根本選手)が入ってきてたんで、とりあえず合わせようということで。 まぁ、気持ちで合わせたみたいなところもありますけど。入ってよかったです。2連勝でチームも波に乗っていて、今日1位の川崎とやってまた勝ったということは大きいです。これからもゲームに出て、サポーターの期待に応えられるようなプレーをたくさん見せられればいいなと思います。 今日はアシストを決めて結果を残せたと思うので、よかったと思うし、勝ちには満足してます。これからももっとたくさん試合に出て勝利に貢献できるように頑張ります。

■太田雅之選手
 (モンテディオ入団以来初めてキャプテンマークを巻いて)よかったよぉ〜、変な試合じゃなくて(笑)。みんな集中してたね、気持ち切らさないで。1点取られて、他のチームだったらバタバタやられるパターンだと思ってたから。1点取られたことで、逆に集中してやれたのがよかったと思います。(林)晃平サマサマです。
  (ゲームキャプテンとしては特別にしたことは?)別にないよ(笑)。最初の声出すぐらいで。逆にみんなに「大丈夫?」って心配されてるぐらいだから。(入場する時に先頭を歩くのは?)緊張するね!(笑)
 ほんとね、余計な気を遣うっちゃう、慣れてないから。
 今日の自分の役目っていうか、メインは「アウグストをどれだけ止めれるか」っていうことだと思ってたし、春先に練習試合をした時も、アウグストを起点にやられる場面がたくさんあったから。ジュニーニョも確かにうまいけど、アウグストを止めれば攻撃のパターンも少なくなると思うし、そこはすごい重要かなって思ってたから、よかったです。去年の対戦でもアウグストにやられてるイメージが強かったから、どれだけ抑えれるかっていうのは重要だったと思います。
 (自分の出来は?)もうちょっと攻撃に絡みたかったけど、どうしてもアウグストでいっぱいいっぱいになっちゃったから、もうちょっと余裕もってやれたら、もうちょっと楽な試合になったかもしれないです。……勝てばOKでしょ、今日は。内容も大事だけど、勝ちが一番のクスリでしょ。勝つといいね、明るいね。


■大塚真司選手
 (次節、イエローカード累積で出場停止について)ちょっとペース早いですけどね。これは今後の課題としてしっかり受け止めなければ。その時はよくても、あとあとチームに迷惑がかかるわけですから、しっかり、もうちょっと考えながらやりたいです。
 (アグレッシブさとの兼ね合いについて)うーん、そうですね。やっぱり、相手の芽を潰すってのが自分の仕事だと思っていますから、そうですねぇー、しっかり冷静になるところと行くところは行くというところをうまく使い分けて、カードの数は減らさなければならないと思います。
  (システムや選手のポジションが流動的なことについて)選手みんな、チームに貢献しようというすごい高い気持ちでやってるから、システムが変わってもそんなに戸惑うところはないですね。 レオ(レオナルド選手)が入ってもしっかりコミュニケーション取れてますし、全体で、誰が引っ張るんじゃなくて、みんながみんなチームを盛り上げて、みんながチームを引っ張っているっていう印象ですね。今日も逆転勝ちということで、チームの雰囲気もいいんですが、ただここで一段落しないで、これからも同じ気持ちで戦っていきたいです。


■高橋健二選手
 ちょっと後半攻め込まれて、点を取られて苦しい戦いだったんですけど、諦めないで戦いました。まあ、やれるっていう自信もあったし、結果にはすごい満足はしています。 自分たちでもそんなに簡単にやられるとは思ってなかったので、ある程度はできると思っていたし、後は相手の攻撃陣、ジュニーニョとかあの辺をどうやって抑えるかが今日の試合のキーポイントだったと思うんですけど、これもなんとかうまく対処できたんじゃないかと思います。 3バックで最初からやるのは初めてだったんですけど、連携も結構取れてたし、思っていたよりもうまくできたかなと思います。
  (中盤でのプレスも効いていましたね)相手のプレスもすごく早いので、そこを抜ければ結構チャンスになると思っていたんで、早めにパスをつないで、カウンター気味でも攻めれたので、前半は狙い通りにできていたんじゃないかと思います。 後半はちょっと攻め込まれる場面があったけれど、ディフェンダー陣も粘り強く守ったので、いい試合だったと思います。チームの雰囲気もすごくいいです。
  (今シーズン、イエローカードが多いことについて)去年に比べればすごい多いんですけれども、それだけ厳しくいっているということでもあるし、不運なイエローカードというのもあると思うので、一概にそう悪いとは言えないんですけど、これから重なってくると、試合に出られないという面で困ってくると思うので、なるべくならカードをもらわずにボールを奪えるようにできればもっといいんですけど。


■古川 毅選手
 先制ゴールを取られるっていうことはプランになかったことだったし、セットプレーとかワンチャンスを活かして、なんとか勝ち点3取りたかったなあっていうのはあったんですけど、先に取られて「厳しいな」っていうのはあったですけどね。フォワードというか、攻撃陣がなんとかしてくれたんで、後ろは救われました。 (失点後は)これ以上、追加点を与えちゃいけないっていうのは絶対条件だったし、2点目を入れられた時点でゲームは終わってしまうっていうことで、それを保ちながら、チーム全体としては前掛かりに人数を掛けていくみたいな感じでした。
 (失点の場面は)ちょっと左右に振られるような形だったし、立っちゃったというか、ラインも下がっちゃったし、我那覇の前のところでレオナルドがアウグストに潰されたところで、周りが立っちゃったようなところがあったし。もったいないというか、やられちゃいけないところでしたけど。
 (3バックについては)特別ありません。監督もシーズン前の合宿の時点で、システムにこだわるわけじゃなくて、その時にいる中で最善のメンバーを組んだ時にどのシステムにあてはめた方がいいのかという感じで言われてたので。 前の2試合でレオナルドが入ってきて、ほんとにいい仕事をしてたので、そのレオナルドをベンチに下げておくのももったいない話ですし、(左サイドバックの)井上も戦列を離れたっていうところで、3−5−2がベストだったんじゃないかなっていう感じで。 3−5−2だからって、それにとらわれるわけじゃなくて、やろうとする僕らのサッカーっていうのは、とにかくボールを動かしながら、どんどんポジションチェンジしながら人もボールも動いていくっていうところなんで、システムにはとらわれないっていう感じだったので、問題はないです。
 (逆転した後の意識は?)当然、相手の攻撃をシャットアウトさえすれば勝てるっていうことなんで、風下だったし、雨でグラウンドもスリッピーだったので、まずはラインをあまり下げないように保って、相手もロングフィードをしてきた場合、裏に落ちた場合は全部キーパーまで流れていってくれるので、そこは下がり過ぎないっていうことは意識はしてました。
 (3連勝で雰囲気がいいと思うが?)でも、これで終わりじゃないし、上位に行けば行くほど相手のマークがきつくなると思うし、連戦で出場停止だったり怪我人っていうのも抱えてきつつあるので、いい雰囲気で次に臨めますけど、これはこれで、次の試合はまた新たな気持ちで臨みたいですね。


■桜井 繁選手
 僕はほんと何にもしてないです。後半に1回、ヘディングシュートを止めたぐらいで、キックは全然ダメだったから、個人的にはあまりいい出来ではなかったです。チームとしては最高ですけど、個人的にはよくないです。
 (今季3試合目での初失点は)入れられた時は悔しかったですけど、これ以上入れさせなければまたチャンスは来ると思ってたので、ディフェンス際はこれ以上絶対やらないと(気持ちを)切り替えてました。(我那覇選手が)ゴールの直前まで来てたので、ああいう状況をつくらないのが一番なんですけど、なってしまったらしっかりマークついてなきゃいけないんですけど、あれはレオ(レオナルド)がマークついてたけど押されて、ファウルのような感じだったみたいなんですけど、ファウルにならなかったです。
 (後半の雨は)僕は雨が降ってくれてよかったなと思います。相手がロングで蹴ってきたボールは全部流れてくるので、雨が降ってきてくれたほうが、僕はやりやすいです。待ってるだけで自分のところに流れて来るので。クロスとかそういうのはやりにくいですけど。
 (川崎には)僕が出た時は全然勝ってないんで。デビュー戦(02年、第10節)がフロンターレで、で、退場して。去年も5点取られてるし(第5節)。ちゃんとやれば勝てるし、0点に抑えられるとは思ってるんですけど、どこかで嫌なイメージがあったので、今日は勝てて自信になるかなと思います。
 去年だったら、今日みたいな流れだと残り2分とかロスタイムとかで追いつかれる雰囲気だったじゃないですか。今年はそこがきっちり、みんなでやることをはっきりやれてるから。声を掛けて、一丸となって声を出してることが一番の要因だと思いますけど。気持ちというか、みんなで一つになってるっていう感じがあります。3試合出てますけど、ほとんど決定的なシュトーも来てないし、安定してます。


■永井篤志選手
 (1点目の大島選手のゴールを呼び込んだシュートは)負けてたし、とりあえず打っとけ、と。打ったら誰かこぼれ球を拾うとか、ディフェンスに当たって入るとか、そういうことが起きるかなあと思って、とりあえず打っとけと思ったら、ちょうどおーし(大島選手)が詰めてて。よかったです。
 前半は「あまり前に行くな」って言われてました。中盤のスペースをジュニーニョに使われるのが嫌だっていうことで、結構引き気味にして前に行く機会を減らしてたんですけど、それでもやられるものはやられますね。点を取られてからは「そんなこと言ってられない」って感じで、どんどん勝手に上がってました(笑)。まあ、あの攻撃陣を1点に抑えて、よかったです。
  (前半は守備の連携がよかった?)そうですね。だいぶよくなってきたと思います。というか、時間が経つにつれてよくなったかなと。
 チームの雰囲気はかなりいいです。首位のチームに逆転勝ちできたっていうのは、みんな自信になったと思います。手応えは、僕もありますし、みんなもあると思います。次の試合は、この勢いなら勝てるでしょう。


■大島秀夫選手
 点を取れてるのはいいです。やりたいプレーができてるって思ってます。でも、何がいいって、コンディションがいいのが一番です。やっぱり、日頃の厳しい練習(フィジカルなど)が局面 、局面に出ていると。
 ゴール前でも、みんなで回す意識が出てきている。その方が僕もやりやすいし、そういうサッカーは、やってて楽しいです。みんな、冷静にパスをつないだりできているから、そこからまたプレーの幅ができています。
  今日のゴールは篤志さんが積極的にプレーした結果獲得したものです。位置的には「この辺かな」というところで、いわゆる“ゴールの匂い”がぷんぷんしてました。もともとみんなの調子が良くて、いい状態だから得点できるんです。ああいうゴールをいっぱい決められたらいいです。こぼれ球を決められるのは、みんなが積極的にやっている証拠だから。
 試合前に「ゴールしたらサポーター席に挨拶に行く」って言ってたんですけど、ちょっとサポ席まで遠かったから行けませんでした。すみません。

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