2004.5.15 J.LEAGUE DIVISION 2 第12節
モンテディオ山形 1-2 サガン鳥栖
前半1-1 後半0-1
入場者数:3,934人
得点者:13'村主(鳥栖)、37'大島(山形)、89'矢部(鳥栖)

 3−4−3の鳥栖が敷いてきたのは、マンマークを基本とするディフェンス・シフト。
 モンテディオの2トップの大島には朝比奈、デーニには山道を付け、3バック中央に佐藤陽彦を1枚余らせる。トップ下の秋葉(松本監督は永井を想定していた)には本橋を、高橋健二には右の小石を、星には左の中村をつけ、さらにモンテディオのサイドバックにも、3トップのうちの2人が張る形。ボールが入った選手に対するチェックの素早さに、モンテディオのパスはつながらず、逆に中盤で奪われたボールを速攻で切り替えされるケースが相次いだ。
 そして前半13分、オフサイドの判定をかいくぐってゴール前に侵入した村主に先制弾を決められてしまう。
 1点を追うモンテディオはなおも攻めあぐねるが、中盤のポジションチェンジで好機をうかがった。そして前半37分、右サイドの大きなスペースでボールを受けた小林が中央へクロス。これに相手のマークをスルスルと外した大島が、ワントラップした後左脚を軸にうまく回転しながらゴール右隅に蹴り込み、同点とした。

 後半スタートから、前半は主に左サイドでプレーしていた高橋健二が大塚とともに中盤の底に収まり、守備が安定。ボール支配率も増した。さあここからという後半6分、タッチライン際から鳥栖・小石が上げたボールに右手を出した大塚がハンドでこの試合2枚目のイエローカードを受けた。
 残り約40分間を10人で戦うという厳しい状況の中、モンテディオは秋葉に代えて古川を投入してゴール前をしっかりと固めた後、林、根本の投入で勝ち点3を果 敢に取りに行った。
 しかし、ロスタイム突入直前の後半44分、鳥栖の右サイドから下司が川崎のディフェンスを振り切って中央に低い弾道のクロスを上げると、中央で矢部が右足のボレーシュート。後半途中から投入された2人のプレーで決勝点を許した。

 次節19日の川崎戦、大塚が出場停止となる。


■大塚 真司 選手
 (退場について)納得のハンドということはないですけれども、審判の手が胸にかかったということはもう1枚カードが出るということだから…。ということは僕退場だから、グラウンドいられないから、グラウンド出て行って。チームに本当に申し訳ないことをしたという一言しかないですし、いつもチームメイトを信頼して戦っているから、今日出て行く時はもう、みんなを信頼してピッチに立ったんですけれども、こういう形になってしまって。ほんと、自分に責任があると感じてます。
 ここ2試合はイエローをもらわないで、プラス自分の仕事もできていたので、このままいけばいいとは思っていたんですけど、まあ、この年になってねぇ、こんなにカードをもらっているようじゃ、まだまだ…。アグレッシブなプレーというのが自分の持ち味だとは思っているけど、やっぱりもっとカードを減らしていかないとチームに迷惑をかけるだけなんで。まあ、紙一重のとこだとは思うんですけど…。今日の2枚目はとっさにでしょうがないとは思うんだけど、1枚目のあれをどうにかしていれば退場になることはなかったんで。1枚目は、自分のパスミスからカウンター食らって、ワン・ツーの選手を身体で止めてしまったんですけど、それもイージーなパスミスをしていなければそういった場面 にならなかったと思うんで、その1枚目は余計だったかなと思います。
 (チームとしてのイエローカード対策は?)それはもちろん、今日も試合前にも余計なカードはもらわないようにということで。前の試合でイエローカードがなかったんで、やっぱりフェアプレープラスアグレッシブに戦って試合に勝とうということだったんですけど、それもやっぱり、自分自身チームのマイナスになるプレーで申し訳ないんですけど、でも、これで自分自身下向いているわけにはいかないんで。もう1回、グラウンドで練習からしっかりやって、チームの力になれるように…まだ負けたのは2回目ですから。
 (前半は1ボランチだった?)いや、そんなことないです。(秋葉)勝と2人でやってたんですけども、相手のペースになってしまったんで、(高橋)健二さんが中に入って勝が外に出て。それでいい形になっていったと思います。


■高橋 健二 選手
 うーん、まあ、特に何もないんですけど、立ち上がりがちょっと悪かったかなと思います。入り方が今日は特に悪かったかなと思います。連携が悪かったというよりも…うーん、連携ですかねぇ、あの辺はやっぱり、でも、集中力の問題っていうかそういう問題だと思うので、もうちょっとしっかり、試合への入り方っていうか、これはほんとに基本的なことなんですけれども、もうちょっとしっかりしていかなければならないと思いますね。
 鳥栖は、前やった時も、どこまでも結構マンツーマンで付いてくるので、ある意味、こっちがうまく動きをつければいいチャンスになると思ったんですが、ちょっと前半は鳥栖にハマっちゃって、そこからいい具合に中盤に取られて、という感じで。それもやっぱり立ち上がりというか、もっと大きくスペースにボールを走らせて、そこから守備からしっかりやっいけばまた違ったんですけど、ちょっと入り方がいまいちだったから…もっとチームで統一して、最初は大きくやるとか、そういうのをもうちょっと明確にしていけば。
 (後半からボランチに入ったが、指示があったのか)はい、そうです。
 (後半10人になったことについて)難しいですよね。まあ、10人でも勝つときもあるので、しっかりバランスを崩さないでワンチャンスをモノにするという感じで戦ってはいたんですけど、もうちょっと、後手に回ったかなという気はしますね。まあ、しょうがないですね、ある程度はやっぱり、数的不利になるのはしょうがないんで、落ち着いて、攻める時ももうちょっと落ち着いていけばよかったかなと思いますけれども。 
 1点目の失点については、オフサイド崩れっていうかね、ギリギリに出されたんでしょうがないんですけど、でも追いついたし、その辺は評価してもいいと思うし。まあ、次ですね、今日の試合は…とりあえず次に前向きに行きたいと思います。多分あのまま行ったら勝ち点1だったと思うし、次で3点取ればいいし。切り替えて、頑張りたいです。


■星 大輔 選手
 ちょっと10人になっちゃったのが残念っていうことと、立ち上がりがよくなかったかなという感じですね。あっちのやり方がマンマークだったので、そこをポジションチェンジでうまく打開できるかなと思ってたんですけど、うまく守られてしまったかなって感じですね。それと、足元足元ばっかりで(ディフェンスラインの)裏にボールが出なかったかなと思いますね。監督のハーフタイムの話でも、ちょっと運動量が少ないってことがあったので、もっと流動的というか、どんどん裏を狙うような動き出しができたらよかったと思います。
 大丈夫です。また切り替えて、すぐ(試合が)あるので。頑張ります。


■秋葉 勝 選手
 前半は特に、裏に出せなくて、また、フリーでパスをもらうことができなかったりで、あんまりよくありませんでした。逆に自分がフリーでもパス出そうとする相手がマークついてたりで。だから後半ポジションチェンジしたりして対処しました。その点については、自分なりに練習中から努力しています。チームの考えもそういう考えなので。でも、55分に交代になって、やっぱりもうちょっとやりたかったです。トレーニングゲームで得点できたように、スタメン出場の今日も「チャンスがあれば(得点したい)」と考えていました。その気持ちはスタメンでも途中出場でもいつも変わりません。今日の出来?それは観に来ている皆さんが決めてください。

■太田 雅之 選手
 運動量が基本的に少なかったし、個人的にも状況判断で、体が思うように動かなくて、状況判断で2つも3つも遅れてるような状況で……うまくいかなかったですね。試合の持っていき方が悪かったと思うし、戦う気持ちというのもチーム全体的になかったかな、と。自分もそうだけど、どこかで今の順位 に甘んじてるというのか。ハーフタイムで監督が「そんなに力の差があるわけないし、見下してやってる場合じゃないよ」って感じで言ってたから、監督もそれは感じてたんじゃないかなと思います。
 後半に入ってよくはなりつつあったけど、一人少ない状況で戦わざるを得なくなったから、積極的に行きたいけど、リスクを冒してまた取られることもあるから、戦い方が難しかった。やっぱり一人減ったっていうのは大きいですね。
 攻撃の時は自分も上がりたかったんだけど、相手が3トップ気味で、外にフォワードが張ってる感じで上がりにくいし、僕が上がると彼(竹村)もマンツーマンみたいな形でついて来るのと、あまり上がると(星)大輔の生きるスペースを消してしまうので、我慢しながらやってました。
 (前半の失点の場面は?)僕のところについてた選手(村主)が斜めに走ったところにボールが出たんだけど、自分としては完全にオフサイドと判断……間違いなくオフサイドと判断して、見送ってしまった、追いかけなかった。でも、審判が絶対だからそれは言ってもしょうがないんだけど、自分勝手に止めないで最後までしっかりやるっていう大切さですね、今日は。
 内容的にはまったくダメでしょう。今日は納得する人は一人もいないでしょう。監督とか選手が一番解ってると思うんです。もちろん、サポーターの人も不満に思ってるだろうけど、選手も相当ふがいないと思ってる。次に活かしたいですね。まあ、まだ始まったばっかりだから、切り替えていきますよ、ここは。


■小林 久晃 選手
 立ち上がり、こっちのミスから流れを悪くして、できるだけ相手の陣地でやりたかったんですど、なかなか裏で抜けてくれる人がいなくてそれもできなくて、結果的に先取点取られて、流れがあまりないまんま終わっちゃったって感じなんですけどね。
 (1失点目は)完璧にオフサイドだと思って止めたと思うんですけど、できるだけディフェンスラインを高い位置でやるってことを言ってたので、それが裏目に出ちゃたんですけど、あれは修正できることです。押し込まれて、いつも通りの落ち着きがなかったし、大事な声とかもかけることができなかった。もうちょっとコミュニケーションをうまく取っていければ、ミスは減っていくんじゃないかなと思います。
 (2失点目は)ボールを持った人にマークがズレていって、うまく受け渡せなかった。もちろんゴール前なので、自分のマークがいるからなかなか難しいんですけど。やっぱり一人少ないっていうことでずっと攻められてて、ある程度うまく守れてたんですけど、最後になって攻める気持ちがあった分、気が抜けちゃったのかなあと思いますね。前掛かりになりすぎたわけではないですけど、ホームだし、ある程度チャンスを見計らって点を取りに行かなきゃいけないので、セットプレーの場面も何回かあったので。みんな頑張って守ってた分体力も消耗してるし、少しずつ(動きが)遅くなってたように感じました。
 (古川選手が入ってからのディフェンスは?)まあ、3バックなんですけど、こっちが一人少ないってことで相手もどんどん攻めてくるから、サイドの選手が下がるようになっちゃって。ボールを取ってから、そんなに急がなくてもよかったのかなと思ったんですけどね。
 (同点弾のアシストは?)前にスペースがあって、もうちょっと持ち上がっていけたんですけど、流れが そんなによくなかったので、細かいことをやるよりも、今はやっぱり大きいことをやっておこうということで。ゴール前に、もうちょっと狙いは前だったんですけど、足元に入っちゃって。うまいことおーし(大島)がトラップして決めてくれたので、結果的にはよかったです。とりあえず、ゴール前に放り込もうっていうことはあの時間帯は考えてたので、それが結果に結びついて、本当、よかったです。


■川崎 健太郎 選手
 きつかったっす。基本的にはガンガン行っていいって言われたんですけど、前半は向こうがペース握ってたのであんまり上がる機会はなくて。後半になってチャンスかなと思ったけど、10人になっちゃって厳しかったです。一人少ないんで仕方なかったかなとは思うんですけど、一人少ないから逆に、もうちょい、一人一人がいつもより少し動けばいいだけで。やっぱ、走んないとどうにもなんないポジションだったんで、とりあえずまずは自分のことよりもチームのことなので。ディフェンスから失点0で、チャンスがあれば自分のいいところを出して行くというように、多分監督もそういう考えだったと思うし。
 (3バックになった後に何か指示は?)(古川)毅さんが入って3バックになって、前行ってこいって毅さんに言われたので。毅さんが入ってディフェンスが安定して、1人少なくても問題なくやれたので、あとは自分が、引くところは引いて攻めるところは攻めて、運動量 を増やせば全然問題ないなとは思ってたんですけど、最後の最後でちょっと集中が切れてました。
 (いいクロスも上がっていたが?)そうですね、でもミスもあったんで…。まだ試合はいっぱいあるんで、次につながるように頑張ります。


■桜井 繁 選手
 最初の失点はひと言で言えば「止まってしまった」んです。みんながオフサイドだと思っちゃって。いつも声を出してそういうことが起きないように心がけてはいるんだけど、「魔が差した」ってでも言うんですかね。
 僕はいつも試合前、自分のノートに「今日の目標」を書くのですが、今日は「声を出して」と書きました。でも、残念ながら前半に最終ラインとキーパーの連携が上手くいかないようなところもありました。その他、マークの仕方やポジションとか、全体的にあまりよくなかったです。ただ、後半はみんな意識したんで、裏を突かれなくなりました。
 これまで好調に来たので、今日の負けは痛いけど、ナーバスになりすぎてもいけないので、気持ちを引き締めて連敗しないようにしたいです。連敗だけはなんとしても避けたいです。今日はみんな頭冷やしてると思いますよ。


■林 晃平 選手
 (後半25分、ペナルティーエリア内で倒されたシーンで)あれは、僕としても納得いかないというのはあるんですけど。どこで倒れてました?僕…。PKっていうか、思いっきり足にひっかかって、靴も脱げてたから、アピールしたけどダメだったんですけど…。でも、そこは審判の判断なんでしょうがないかな、とは、はい。
 (入る時の指示は?)スペースに流れてボールを受けろと。とりあえず、一人少ない状況だったんで、とりあえず動かないと。
 (根本選手が入った後は3人で攻撃を?)ツートップですね。おーし(大島)はその後ろっていう感じで。
 (次節について)第1クールの時は逆転勝ちっていう勝ち方をしているので、相手も首位ですけど気落ちせずにチャレンジャーな気持ちで頑張ります。
 (得点について)そうですね。ちょっと、得点していないので(苦笑)。そこまでは行くんですけど、決定力不足で、そこは練習していきたいと思います。
 調子というか、体のキレも、全然動けていると思うので。疲れも、いつも交代で入るのでみんなよりは疲れていないと思います。最初に出た札幌戦よりは全然いいです。チームのみんなも僕の特徴というか、そういうのをすごい分かってくれているから、そういうパスも供給されるので、僕はすごいやりやすいです。みんなも裏を狙ってくれているんで、僕的には意志の疎通 っていうのがはっきりしてきて。出たら活躍したいし、結果も残したいし。勝利に繋がるプレーっていうのは大切だと思います。僕だけに限らずたぶん誰でもだと思いますけど。


■根本 亮助 選手
 出だしから集中力に欠けるというか、あんまりよくなかったんじゃないかなと思います。
 (ピッチに入る時の指示は?)前にいて、得点に絡むという事です。最後の詰めというか。…残念です。ボールもあんまり触れていないし、…頑張ります。


■大島 秀夫 選手
 最初から集中してチーム全体が流れに乗れなくて、相手にペースをつかまれたので、相手を自分たちで乗せてしまったなっていう感じです。前からマンマークで来るってわかっていたので、激しくなるのは分かっていたんですけど、もうちょっと、周りとうまく連動していい攻撃ができればよかったなと思います。1週間空いたので、疲れはないとは思うんですけども…気が抜けていたんじゃないですかね。(相手の)調子がいいのは分かっていたんですけど、自分たちも調子がよかったからっていう慢心があったんじゃないんですかね、とも思います。もっと簡単に裏に放り込めばいいところを、無理に繋いだりだとか、ちょっと考えすぎじゃないですけど、意識しすぎちゃった。
 (ゴールシーンは狙い通り?)いつもなんですけど、あんなにきれいに決まるとは(笑)。最近、なんか入る気がするというか。正直そんなにイメージはできていなかったんですけど、とりあえずゴールに向かうようなプレーをしたいなと思ってて。打ってダメでも、こぼれ球とかそういうのもあるし、とりあえず打とうかなという感じで。前を向けば相手は嫌がるし。練習のときから入っていたんで。どういうシュートっていうよりは、あの区間の自分のリズムだったからっていう気がします。
 (得点を量産している要因は?)今は、点が入っているという事で、自分がノッてきたというか。早い段階で何回か決められたのがよかったのかなと思います。(得点ランキングは)最初は意識しなかったんですけど、ここまで来たら、抜かれるのは嫌だしとは思いますけど。やっぱり決めている事で自信はついているかなと思います。マークは厳しくなっているというより、フォワードだから、そこはやるかやられるかのところなので、いつも激しいと思うんですけど、負けないように、一瞬のスキでも、1点でも。
 (次節について)とりあえず連敗だけは絶対しないようにと思います。けっこう厳しい試合になるかもしれないですけど、ワンチャンスを狙ってスキあらばという気持ちでやっていきたいと思います。
 (疲れは?)J2は4年目だし、コンスタントに出ていたので、体は慣れている気がします。

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