2004.10.31 J.LEAGUE DIVISION 2 第40節
モンテディオ山形 2-0 横浜FC
前半0-0 後半2-0
入場者数:6.423人
得点者:47'宮沢(山形)、62'宮沢(山形)

 前日に2位大宮、4位福岡がともに勝ち、是が非でも負けられないモンテディオだったが、前半は「まず失点をしない」手堅いサッカーで、横浜の攻撃を凌いだ。

 大島が累積警告で今季初の欠場、梅田−松田の2トップで臨んだが、永井や大塚にボールが入ってからは、無失点で行くという意識で無理にバランスを崩さなかったことと、横浜FCの絶妙なポジショニングで、裏へ飛び出したり効果 的にサイドへ散らすいつもの展開が見られなかった。
 守備では横浜にクロスを上げられる場面が多かった。不安定な部分もあったが、精神的には落ち着いて対処。38分、フリーでボールを持った北村が放ったミドルシュートがクロスバーを直撃する危ない場面 もあったが、プラン通り無失点でで乗り切った。

 先制点のチャンスは、後半に入ってすぐに訪れた。
 後半2分、中に切れ込んだ星がオーバーラップした迫井の右サイドへボールを戻す。迫井がそこからクロスを入れると、ニアサイドで競り合う選手を通 り越えてファーサイドの宮沢の元へ。キーパー菅野もゴールを留守にしている間にフリーでマウスに押し込み、先制した。

 その後も右サイドを中心に攻撃を仕掛けていったが、後半17分には永井からのパスが右サイドの星に入り、グラウンダーのクロスが選手の間をすり抜ける。それをゴール正面 に真っ直ぐ走り込んできた宮沢が左足で決め、リードを2点とした。

 後半はほぼモンテディオペース。危ない場面もほとんど見られず、2−0と2試合連続の完封で横浜FCに勝利した。

 2得点を挙げた宮沢は、今季途中、期限付きで新潟から移籍。「震災は人ごとじゃない感じがした。直接何か手助けできればいいんですけど、そこまでできない立場なので、僕は僕なりに、自分ができること、サッカー選手としてやれることをやって、その結果 、新潟の方に元気になってもらえれば」と話していた。
 また、横浜FCのリトバルスキー監督は、記者会見の席上、ブッフバルト監督らと話し合い、新潟中越地震のチャリティーマッチを開催する構想を明かした。時期は公表していないが、出場選手はJリーグ発足当初のJリーガーで構成し、「日本人選手対外国籍選手」のような形でやりたいとのこと。



■宮沢 克行 選手
 いつもと同じようにはやっていましたけど、ゲームプランとしてセカンドポストに入るというのがあって、それが絶対チャンスになるからということを今週は言われていたので、それを実践しました。
 1点目は迫井からいいクロスが入って、ニアで(松田)正俊が相手と競り合ってつぶれていたので、そのお陰で僕のところにボールが転がってきて、セカンドポストのところでシュートを打てました。そこで、自分がセカンドポストに入るだけじゃなくて、前で正俊がつぶれ役で絡んでくれたので、そういうのもチームとしてうまく機能している結果 だと思います。
 2点目は、また右サイドで星がタメを作ってキーパーとディフェンスの間にボールを流してくれたんですけど、それも同じくセカンドポストの形で入っていきました。こういうゲームプランを立てて、狙い通 りという得点ではありました。サイドから崩して、セカンドポストに入ればチャンスがあるからということで、それを実践して、作戦がうまく当たったと思います。本当に気持ちよかったです。今週ずっと、横浜FC対策としてやってきたことだったので。
 選手として、メンバー表で試合数の横に得点が書いてありますけど、それがずっと0だったので、それは気になっていました。でも、チームが勝てればいいなと思っていますし、自分が点を取って勝てると選手としては本当に嬉しい事だと思います。でもあまり余韻に浸っていないで、次も得点できるようにがんばりたいと思います。
 (ハットトリックは?)常に狙っています。得失点差を考えれば取れる時に取っておかないとというのもありましたし。そういう意味でも狙っていました。
 自分はこのチームにプラスになるようなプレーができると思っていますし、やらなければいけない立場なので、次もいいプレーをしたいと思います。僕だけじゃなくて、チームのみんなもサポーターのみなさんもひとつになって上を目指しているというのが今の結果 に表れていると思います。いつもそうですけど、1試合1試合、全力で戦って勝ち点を取っていくしかないと思いますし、その結果 みんなで喜べるような状態になれば本当に幸せだと思います。
 (新潟の震災について)ニュースで見たときに、人ごとじゃない感じがして、すごい心配でした。直接何か手助けできればいいんですけど、そこまでできない立場なので、僕は僕なりに今自分ができること、サッカー選手としてやれることをやって、その結果 、例えば今まで新潟で応援してきていただいた方に、今日2得点したという報告ができたりして、元気になってくれればいいなと思っています。新潟からも(山形に)応援に来ていただいて、毎試合声を出してくれる方もいて、そういう方も余震があって山の方を通 るから来れないということも言っていました。そういう中で僕たちが一緒になって沈んでいたら、それは違うと思うので、やっぱりサッカーをやって元気なプレーを見せて、そこまで情報は届かないかもしれないけど、宮沢ががんばっているというのを、何かで知って元気を出してくれたらなというのがありますね。僕らは落ち込むことなく元気な姿を見せないといけないと思います。
 (募金活動について)僕が言い出したとかじゃなくて、山形の選手が今週の初めに言いだして。そういう事でしか手助けできないですけど、少しでも気にしているということも大事だと思うし、みんな一丸となって日本人としてやれることはやっていきたいと思います。

■桜井 繁 選手

 完封勝利で良かったです。前半、自分的にもかなりミスが多くて、ちょっと気負ってしまいました。「やってやろう」という気持ちが強かったんですけど、それが逆に…。クロスボール等を自分で取ってやろうというすごい強い気持ちがあって、それが気持ちばっかり先走ってしまって、何本かミスをやってしまいました。力の入れ具合をちょっとミスってしまったかな、と思います。前半と後半の出来が、個人的には全く違ったんじゃないかなと思います。
 (DFラインから何か声をかけられたりした?)いつも通り悪くないからやれよ、という感じで言ってくれたんですけど、ハーフタイムに監督から、いつも通 り基本的なことをしっかりやればいいよ、意識しすぎるなといったことを言われて。それで吹っ切れて、いつも通 りやればいいんだなと思って後半に臨んだら、いつも通りできたという感じです(笑)。後半に気持ちを切り替えて、楽に行ったことがいいプレーにつながったんじゃないかなと思います。やっぱり気持ち的なことだったんだということですね。後半は(決定的な場面 もなく)未然に防げたと思うし、ミスも前半よりは減ったので、後半は良くできたと思います。完封しないと意味がないと思ったので、やばいなと思ったシーンも手が出て防げたし、よかったと思います。


■迫井 深也 選手
 (今日は積極的に攻撃に絡もうと思っていた?)いや、そこまでは考えていないですね。基本的には守備から入ろうと思っているので。スペースが空けばそこを突いて行くというような。基本的に相手のチームは星を注意しているので、そこをうまく利用したいなとはいつも思っています。
 前半は、自分たちの中では支配されているというより、全てが(想定の)範囲内だったなと思います。山形のディフェンス陣は相手の攻撃の中でも許容範囲だったし、抑えることができていたと思います。
 基本的には我慢比べだったので、(横浜FCは)引き分けの多いチームということから分かるように、相手も高い守備ラインから、守備の堅いチームなので、とにかく我慢していればどこかで試合は動くと思っていました。とにかく自分たちから無理に仕掛けなくても大丈夫だと、試合運びだけは注意しました。
 (前半の高いクロスに対して後半は比較的低いクロスを多用していたようだったが?)前半のクロスに関しては相手のディフェンスラインを下げたいという意図があったので、崩すというより、高いラインのディフェンスをどう間延びさせるかというところでした。間延びすれば山形はボランチを使ったプレーが出来ると思って、そういう意図がありました。
 (シュートシーンについて)あれはもう、おまけです(笑)。
 (失点した試合が続いた後、2試合連続完封したことについて)基本的には変わっていないと思うんですけど、ただ、もう1回、我慢する時間を我慢できて、前半を0に抑えれば後半はゲームが動くということを、全員が理解した上でゲーム運びをしているので、何も変わってはいないと思います。
 (昇格に向けての気負いはないか?)最初と比べて、報道陣の多さからも、騒いでいるのは分かります(笑)。でもサポーターや周りがどんどん盛り上がっているのは選手も感じていることなんですけど、選手自身はとにかく足元を見つめて、4試合後より次の試合というように、次の試合のことしか考えられないので、とにかく1試合終わってまた次の試合を全力を尽くす、0からまたスタートすることだけを考えています。


■永井 篤志 選手
 立ち上がりがちょっと何回もポストに当たったり危ない場面があったんですけど、「ピンチの後にチャンスあり」で、前半に0-0なら今日はやれるんじゃないかなと思っていました。
 (2得点目の起点になったことについて)前半、ああいう感じでパスミスを(星)大輔として、ハーフタイムで話し合いました。それで、また同じようなタイミングで、今度はふたりの意思がうまくできたかなと思います。
 (前半は守備的に行ったか?)そういう意識はみんなありましたし、指示通 りに。相手も止まっていたので、前半0-0なら後半いけるぞと思っていました。
 (上との差は縮まっていないが?)しょうがないです。勝つだけ。残り4試合しかないので、精一杯やるだけです。


■星 大輔 選手
 (1点目の起点となったプレー、ボールを持って中に入っていった後、迫井選手にボールを渡したシーンについて)あそこでシュートしたかったんですけど、ちょっと相手のカバーリングがよくて。それで、その後、アイディアを変えて、奪われないことを意識してサイドに展開したら得点につながったので、良かったと思います。
 (2点目のアシストについて)(永井)篤志さんからいいボールが出たので、そこに入ったら自分の持ち味が一番発揮されるところなので、いい形で点に結びついたかなと思います。篤志さんにいい形で前を向いて入ったので、僕はほんと、篤志さんを信じて任せているだけです。
 (前半は横浜の裏をあまり使えなかった?)監督からも、フォーワードだったりどっちかが裏に出て、ラインを下げて攻めやすくしていこうと言われていました。前半はうまく守られて、あまりスペースを与えられなかったんですけど、後半は相手も前に出てくるので、それを、裏のいいところを突けたのかなと思います。前半は最悪0−0で、点を取られなければいいということで戦っていました。基本的には守備から入ってカウンターを狙うという、守備を重点的にして0に抑えて行こうという試合の入り方でした。(体力的にも)僕たちは後半ラストに自信を持っているので。個人的にはちょっと疲れちゃって、交代されちゃったんですけど(笑)。チーム的にはそういう体力というのも、自信を持ってやっています。
 (昇格争いについて)まだ何が起きるか分からないし、僕たちは次の試合だけに集中して、1試合1試合大事に戦っていけばいいと思います。それで終わってみればどうなっているかですから。周りのことは気にしないで次の試合だけしか考えていない感じです。でも、たくさんの人が見てくれるというのは僕たちにとって光栄なことですし、そこでいいプレーをして、たくさんメディアの方にもサポーターの方にも来てもらいたいです。
 (募金活動について)僕たちはピッチの上で元気なプレーをして元気付けることが一番なんですけど、チームとして出来ることがこういう募金活動だったりということもあるので、少しでも役に立ちたいと思います。

最新情報一覧はこちら →→ What's new!
試合結果一覧はこちら →→ Game Review


Copyright (C) 2002 Rush-web. All Rights Reserved.