2004.11.23 J.LEAGUE DIVISION 2 第43節

モンテディオ山形 2-2 水戸ホーリーホック

前半0-0 後半2-2
入場者数:4.327人
得点者:54'永井(山形)、60'大島(PK、山形)、79'松浦(水戸)、89'オウンゴール(水戸)

 引いてくる相手に対し、どうチャンスをつくりゴールを生み出すか? 攻めている間のカウンターの備えは? いかに先取点を与えないか?
 ここ何試合か同じような課題を抱えて試合をしてきたが、その成果を試す試合でもあった。

 水戸はMF登録の磯崎を左に加えた4バックの前に永井俊太、栗田、北島と3人のボランチを配置する予想通 りの布陣。全員が自陣に戻って守る水戸に対し、モンテディオのポゼッション率は高かったが、ボールをゴール近くに運ぼうとしてカウンターを受け、くい止めて再びボールを前方へ送ると奪われてまたカウンター、というように、水戸の堅い守りに何度も跳ね返された。
 すると15分過ぎからは水戸のポゼッションが上がり始める。ボールを奪うと永井が右へ、北島が左へ開き、両サイドのウィングバックを押し上げる。クロスが上がるとその中の何人かとフォワードがゴール前に詰めている、というパターン。しかし、これも途中のパスミスなどから、決定的なチャンスをつくるには至らなかった。
 モンテディオが2本、水戸が3本。シュートの少ない、静かな前半だった。
 後半に入り9分、北島のボールを梅田と2人で奪った大島がそのまま左サイドへドリブル。相手を引きつけてから右サイドのスペースに出したボールに永井が飛びつき、ミドルシュートを放った。相手に当たってコースが変わるラッキーなゴールだったが、この先制点でモンテディオはプレーの硬さが取れ、本来の動きを取り戻した。
 続く14分、右サイドにいた大島が、高橋健二とのワンツーの後、ペナルティーエリア内に山なりのフィード。これに宮沢が飛び込むと、マークしていた柴小屋が手でボールを阻止したとしてハンドの判定。このPKを大島がきっちりと決め、2−0とリードを広げた。  しかし、30分過ぎから、中盤でプレスが掛からなくなると流れは水戸へ。
 34分、伊藤仁の左からのボールを中央で北島がスルーパス。小林が相手のチェックで前に出たそのスペースを抜けた松浦が桜井と1対1になり、ゴール右隅に決められた。
 危ないながらもなんとか勝利が手に入りそうなロスタイム、縦のロングフィードで相手と競った小林が頭でヒット。そのボールを捕ろうと前に出てきた桜井の頭を越え、オウンゴールに。あと一歩のところで、3試合ぶりの勝ち星を逃した。
 同時刻に行なわれていた福岡−鳥栖戦は2−1で福岡が勝った。この結果 、福岡との勝ち点差は2に開いたが、今節以前に得失点差で福岡が大きくリードしていたことから、最終節でモンテディオが勝たなければならない状況に変わりはない。
 「先行しながら追いつかれて非常に残念なゲームだったが、選手には、今日は大差で勝たなければ引き分けと一緒だということを伝えていた」と鈴木監督は話した。
 また、この日のポイントとなった高橋健二から秋葉へのスイッチに関しては、「永井と高橋、両方の運動量 が落ちていたので、どちらかに一人入れようと思った。大塚か秋葉かで迷ったが、福岡が勝っている状況もわかっていたし、そういう状況で2点失っても攻撃的な選手を入れたほうがいいだろう」という判断だったと説明した。
 守備にも攻撃にも不安を残したまま最終の直接対決を迎えることになったが、「勝てば入れ替え戦」、一発勝負の意気込みで臨む。



■永井篤志 選手
 (久々のゴールでしたが?)ゴール自体はあんまり…。まあ、嬉しかったです。結果 的に引き分けたので、最終戦でまたゴールできるように。
 最後のほうはみんなが引いちゃって、ボールにプレッシャー行けてなかったので、結構自由なパスを出されてしまいました。最後の(2失点目の)クロスもそんな感じで、プレッシャー行っとけばあんないいボールは来てなかったと思います。そのあたりを修正していきます。
 前の試合もそんなに悪くなくて、今日は勝ちたかったんですけど、最低でも引き分けって言われていたので、最低限クリアできて良かったです。
 福岡は僕が元いたチームなので、特に負けたくないっていう気持ちも強いですし、福岡戦のときは結構いいプレーをしているので、その気持ちを持って頑張りたいです。やることは同じなので、自分たちの持ってる力を出せれば、僕は勝てるんじゃないかなと思っています。
 最後の試合で、しかもホームなので、一番おもしろい試合になると思います。精一杯頑張るので、応援よろしくお願いします。

■梅田直哉 選手
 試合経過としては、前半は守備重視でいって、後半、相手が突かれてきたところを得点しようということで、狙いどおりだったと思います。
 あと残るところ2試合なので、山形のために頑張ろうという気持ちはあります。今日は負けなかったことで次があるので、今日2−0で勝ったとしても、結局は最終戦にもつれるなというのはわかってたので。福岡がどういう戦い方をしてくるのかわからないですけど、僕らは勝つだけと、これでスッキリと、心がひとつになったなと思います。
 おーし(大島)が競ったこぼれ球を狙ってたので、お互いにパス交換して相手のセンターバックを崩していこうと思いましたし、チームとしてはサイドアタックをしていたので、サイドを起点にしつつ、ゴール前では大島君とクロスしてセンタリングに飛び込んでいこうという形はやっていこうと考えていました。
 (前線からのプレッシャーが厳しかったが?)気合いの表れじゃないですかね。向こうはロングボールを蹴ってくると思ったので、そこを自由に蹴らせるとディフェンスがしんどいというのもあるので、蹴られてもコースを限定して、ディフェンスが取りやすい、予測しやすいボールを蹴ろうかなと思いました。
 (全体でシュートが6本、原因は?)向こうはどんどん蹴ってたというのもあったから、こっちが結局カウンター気味になる。向こうが引いてくるっていうこともあったから、ボールポゼッションとしては良かったと思うので、シュートを打つという意識をもう少し持ちたかったです。あと、中盤のあたりでミドルシュートをどんどん狙っていけばというのはあったと思うんですけど。それて、セットプレーを集中してやっていこうって思ってたんですけど、コーナーキックがなかったので。珍しいですね。相手が4人バック3ボランチだから、前半のうちからあの辺でくさびが入るようになってくれば、後半みたいにチャンスができてたのかなあと思います。
 (浦和のステージ優勝は刺激になった?)別に関係ないです。今は山形昇格のために頑張っているわけですから。テレビ観てないですから。仙台に負けたあとだったので、「スーパーサッカー」も観る気にならなかったです(笑)。電話で「おめでとう」って言った選手は何人かいたんですけど。

■高橋 健二 選手
 結果は引き分けでしたけども、福岡も今日勝ってるし、どっちにしろ最終戦で勝てばいいということで、今日はそういう状況だから、次に全力で頑張りたいと思います。
 (久しぶりの先発だったが?)中盤で思うようにボールを回せなかったかなと思います。ディフェンスの時に相手にちょっと回されて、後手後手だったので、その辺を修正していきたいと思います。最後のほうはちょっとバテてきました。
 (失点の原因は?)全体的に引きすぎたという感じですかね。もうちょっとラインを押し上げてコンパクトにしていけばよかったかなと思うんですけどね。
 (昇格争いを経験したことのない若い選手たちの雰囲気はどうか?)もうみんな開き直っているというか、今もロッカーで誰からともなく話してたんですけど、次は一つになって、本当に死ぬ 気で戦う気持ちを見せてがんばろうという話をしていたので、あとはほんと、開き直って、最終戦に臨むだけですね。(昇格争いを経験して)みんなたくましくなったと思うし、気持ちもみんな持ってると思うし、本当にいいチームになったと思います。

■大島 秀夫 選手
 別に悲観する結果ではないし、負けなかったので次につながるということで、問題はないです。
 次は本当に最後なんで、さっきもみんなで言ってたんですけど、闘志をむき出しで、気持ちで全員で戦うしかない、それだけです。
 (昇格争いが最終節までもつれ込むことについて)こういう経験はほんと、できないと思うので、本当は早く決められればそれに越したことはないんでしょうけど、こういう特別 な経験ができるというのは、選手としてはすごくいいことなのかなと思います。
 (日本人得点王について)もちろん勝つために点を取れればいいと思いますし、結果 的にそれが取れればいいし。でも勝たなきゃ意味がないので、いつも言っていますけどそっちの方が大事ですから。

■桜井 繁 選手
 (1点目の失点について)僕もちょっとビデオを観てみないとはっきりはわからないんですけど、(水戸の北島が)中央から抜けてきて、それで、僕も声を出しながらやっていたもんで、その声を出している瞬間に出てきたものなので、ちょっと少し慌ててしまったところがありました。最近ちょっと失点しているのはそういうところがあるのかな、ということで、そこを変えたいなと思います。1対1になった時に、もうちょっと僕としても冷静に対応できていれば。とっさだったので慌ててしまうところがあって、その辺が今年、個人的には変われそうで変われていないところだと思います。
 (2点目の失点について)オウンゴールですね。微妙なところにボールが入ってきたというのもあるし、ディフェンスのラインの高さも微妙な高さだったというのもあって、中途半端な感じになってしまって失点してしまった感じです。テル(小林)が触らなければ自分が、っていうふうなイメージで、少し前に抜けてきたのを狙っていたんですけど、あれを(小林が)触ってしまって自分たちのゴールに向かってきたら、もう何もできなかったですね。難しいボールだったとは思うんですけど、そういう状況を作らないようにしなきゃいけなかったので…。でも、別 に自分のポジションが間違っていたとは思ってないです。あとはディフェンスラインの高さとコミュニケーションのところだけだと思います。
 1点取られた後、ちゃんと引いているんだったらよかったんですけど、それが中途半端な感じになってたと思います。攻める時は攻めて変に前掛かりになって、それが多分、いけなかったんじゃないかなと思います。守るんだったらちゃんとしっかり守ればよかったんですけど、下手にチャンスもあったから取りに行こうというのもあって。どっちつかずになったから、ああいう結果 になったんじゃないかなと思います。自分なりにコーチングしていたつもりなんですけど、まだまだダメなんじゃないかなと思います。
 (リーグ戦でここ3試合、勝利がないが?)そうですね、なんかこう、勝ちきれないと言うか…。今日は2点取った後に、気の緩みみたいなものがあったと思います。前半は多分、みんな、負けたらもう終わってしまうということでちょっと堅かったような気はしましたけど、後半になって1点取った時にはもう堅さは全くなく、2点目取ってちょっと、油断とまではいかないけど安心してしまったというか。その辺を僕は後ろからちょっと感じたので、声を出してやっていたつもりだったんですけど。
 (鈴木監督が以前も言っていたように「大人のゲーム」ではなかった?)まさにその通 りですね、まだまだ、ああいう時に、2−0の時に堅い守りで勝てないと、本当に強いチームにはなれないんじゃないかなと思います。まだまだだと思います。その辺ができていた時もあったんですけど、また戻ってしまった感じです。
 今日みたいな展開が最近すごく多くて、あんまりイメージ的によくないんですけど、最後は何ももう関係ないので、もう全部なにもないところから楽しんで、勝てるように気持ち入れてやりたいと思います。
 今日は本当に残念だったんですけど、気持ちを切り替えることが一番大事だと思うので、すっきり次に臨みたいと思います。今日勝ってもどっちにしろ、次も勝たなきゃいけないので、コンディションだけは100パーセントに整えて、最後のもう1試合、楽しんでやりたいです。

■林 晃平 選手
 (途中出場したときの相手の状況は?)スペースが多少あったので、そこを突いていこうという意識は持ってやっていました。相手も引いて守っていなかったように見えましたし、スペースは前半から結構あるように見ていました。
 勝てれば一番よかったと思うんですけど、結果は結果で、最終戦勝てばいいので、そんなに同点にされたことは悲観していないです。どっちにしろ、最終戦は絶対に勝たなきゃいけないという状況だったので、負けなかったことは良かったです。
  (最近勝ちがないことについては?)リーグ戦なので、勝つこともれば引き分けることもあると思います。一番大切な試合は次なので、そこで勝てばまだ続けることができるので、勝ってないからどうとかいうことは、あまり考えてないです。
 絶対に勝たないといけない、勝つつもりで。今も頑張ってるんですけど、死にものぐるい、くらいの気持ちで頑張りたいと思います。

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