2004.11.27 J.LEAGUE DIVISION 2 第44節
モンテディオ山形 1-3 アビスパ福岡
前半0-0 後半1-3
入場者数:12.213人
得点者:65'有光(福岡)、81'有光(福岡)、
89'アレックス(福岡)、89'根本(山形)

 勝てば入れ替え戦進出、というリーグ最終戦。前半、風上に立ったモンテディオは中盤から積極的にミドルシュートを放ち、リズムをつかみかけるが、福岡がパスの精度の高さを見せ、モンテディオのプレスをかいくぐってゴール前まで何度も攻め込んだ。
 しかし、これをしのいだモンテディオは20分過ぎから中盤でボールが収まりはじめ、ペースをつかむ。22分、星のグラウンダーのクロスを大島が股抜きスルーし、中央の梅田がシュートを放つがポスト直撃。
 25分には永井からフリーでパスを受けた梅田がシュートを放つが、今度はバーの上。
 38分には星の右クロスを大島がゴール前に落としたが、飛び出した梅田がオフサイドを取られた。
 再三のチャンスがありながらゴールを奪えず、前半は0−0で終了した。

 後半は出だしからモンテディオのペース。右サイドの星にボールを集め、ゴール前まで攻め込むが、なかなか同点ゴールが奪えない。ただ、ボールを奪われた後は永井などが素早い反応を見せて攻撃を遅らせ、後半20分頃まではカウンターを受ける危ない場面 はなかった。
 しかし後半20分、モンテディオに落とし穴が待っていた。
 福岡の右サイドで、10分前に入ったばかりの松下が右手を高々と挙げていた。左サイドでボールを持っていた増川が、その松下へ向けてサイドチェンジの大きなパスを出す。と同時に、松下の内側を有光が俊足を飛ばして走り抜けていく。あっという間にディフェンスライン裏のスペースを陥れた有光は、そのままゴールに近づくと右足を振り抜き、ネットに突き刺した。
 モンテディオも反撃に出る。
 後半32分、小林がロングシュート。ポストに当たり跳ね返ったボールを拾って星がシュート。しかし、千代反田に体を張って阻止された。
 入れ替え戦に進出するには、2点取らなければいけない。福岡はもはや引き気味で、センターサークル付近のボールはすべて拾える状況になっていた。さらに前掛かりに攻めるモンテディオ。しかし、それが福岡のカウンターを呼んだ。
 後半36分、モンテディオのミスから奪ったボールを中盤で有光がキャッチ。と同時に、太田恵介と山形恭平が左右に開き走り始めたが、これを守るのはレオナルド、内山の2人。3対2の展開では為す術がなく、有光に2人のディフェンダーの間を打ち抜かれ、2点目を失った。
 また、44分には福岡のコーナーキック。いったんクリアしたが、ホベルトから最後はアレックスが決め、決定的な3点目を入れた。
 これに対し、モンテディオも最後まで諦めずに攻め続ける。
 ロスタイム、高橋健二の左コーナーキック。ファーサイドで大島が頭で落とした後、林が飛び込み、最後は根本が蹴り込んで1点を返したが、この後、J1昇格の可能性消滅を報せるホイッスルが鳴り響いた。

 モンテディオはこれで今シーズンの全日程を終了。最後の最後まで、昇格争いの期待を消すことなく、サポーターを楽しませてくれた。



■桜井 繁 選手
 試合の入り方は悪くなかったと思います。そこで、僕ら後ろ(の選手)がどれだけ我慢できるかだったと思いますけど、勝たなきゃいけない試合で先に入れられて、きつくなったんじゃないかと思います。
 すごい後味の悪い…最後で気分悪いですね。今までずっと試合出てきて、自分の中では一番納得のいかない試合だったような気がします。
 これだけ嫌な思いをしたことは忘れないと思うので、来年は絶対……、頑張ります

■レオナルド 選手
 負けは負けなので、今は非常に嫌な気持ちで、それ以外に何もないです。
 (後半には攻撃にも加わっていたようだが?)負けていたということもあって、攻撃を助けるという責任感にもかられましたし、ゴールをするために全力を尽くし、センターバックの仕事としてよりも攻撃をするということに力を入れました。試合前は、みんな同じように高い意識を持っていて、そしてみんな同じ気持ちで試合に臨んだんですけど、先制点を取られてしまい、それからどんどんどんどん悪くなってしまいました。
 (今シーズンを振り返って)自分にとっては非常にいい年でした。日本でプレーするというのは自分にとって初めてでしたし、4位 という結果に終わりましたけれども、この結果が決して悪いものではないとも思っていますので、非常にいいシーズンでした。
 自分にできることは一生懸命やってきました。サポーターのみなさんの愛情も非常に感じていました。本当にありがとうございました。

■大塚 真司 選手

 結果がついてこなかったということで、自分たちの今までやってきたことを出そうと言って、アグレッシブでモビリティのあるプレーっていうのが前半からできていたと思うんですよね。それだけに、結果 が出なくて、残念です。
 あと一歩なのかもしれないけど、もっともっとチームとして細かいところを高めていかなければならないのかなと思います

■高橋 健二 選手

 今日は、チーム全員、ここにいるメンバーだけじゃなくて、選手もスタッフも全員、気持ちを一つにして勝つという気持ちで臨みました。3年前を思い起こしはしませんでしたね。今年は本当にチームの力というのがついてきて、自分たちのサッカーができたからこういう(昇格)争いができたと思うんですよね。その辺はすごく自信に思っていいと思うし。自分的には今シーズン、怪我が多かったので、そういう面 でチームに迷惑をかけたというのがありますね。それが残念です。
 3年前は自分たちでは分からないけど、ハイペースな試合展開になっていたので、本当に慌てないで自分たちのサッカーをという、本当にそれだけを考えて、自分のいいプレーをすれば必ずいい結果 が出ると思って臨みました。前半とかも決定的なチャンスがあったし、そういういいペースの時に1点取れなかったのが残念だなと思います。
 (失点のシーンについて)シュートもすごくいいシュートだったと思うし、失点に関してはしょうがないと思うんですけど、先制点はできれば与えたくないと思っていました。先制点を奪えればすごく落ち着いてやれたと思います。でも、それは本当にしょうがないことですから、点を取られたのは誰が悪いわけでもないし。相手は1点を取ったことでやりやすくなったんじゃないかなと思います。2点目、3点目に関しては本当に点を取りに行かなければならない状況だから、それはもうしょうがないです。
 来年のことはまだ考えていません。2001年が終わって、次の年があまり良くなかった。だからこういう経験をした次の年はすごい大事かなと思います。でもこうやってだんだん上がっていけば、必ず上に行けると思うので。(終盤まで昇格争いに持ち込む)力があるから、これを次の年につなげていくことが大事かなと思います。
 今シーズンは終わってみたらすごいあっけないなという気がしています。もう天皇杯も終わっているし…。今までだったら、天皇杯のために切り替えて、というのがあったけど、今年はもうないから。だからなんか、まだちょっと、心に残っているというか…。
 本当にサポーターの皆さんには苦しいときに、出ないような一歩を出させてくれる力があると思うし、アウェイでも応援しに来てくれた人もいっぱいいますしね。来年に関しては、今昇格争いをしているから応援に来ているというお客さんも少なからずいると思うので、そういうお客さんを常に呼べるようにしっかりおもしろいゲームをして勝っていきたいなと思います。そうすればお客さんもいっぱい入ってくれると思うし、それが大事かなと思います。

■宮沢 克行 選手
 絶対勝つつもりでいました。まずは3位になることを目指して、自分としても結果 を残したいと思っていましたし。そんなに緊張するでもなくリラックスして試合に入れたんですけどね。みんな雰囲気的には悪くなかったし、今日も立ち上がりから空回りしている感じでもなかったですね。
 (押している時間帯が多かったが?)そうですね。あそこで1点取れるか取れないかがこの結果 になったと思います。1-3という結果にはなってしまったんですけど、正直これが日々の積み重ねとかの結果 であると思うので、しっかり受け止めて、僕自身はまたしっかりうまくなるためにやっていきたいと思います。
 (2、3点目は点を取りに行った結果?)でも、もっとやれることもあったと思うし。僕は交代してしまったので、それが自分にとっては悔しかったです。もう0-1の時点で代えられたので、僕がピッチ内でできることはなくなってしまったので、それがJ1昇格を逃した次に悔しい事ですね。
 (ラストボールの供給はできていたと思うが?)自分自身ではそんなにうまくプレーできないとか、そういうのはなかったですし、走り込んでボールを受けたりもしていました。でも、結局交代という事になったのは自分の力の無さだと思います。毎試合そうだけど、チャンスがなかったわけではないし本当にあと一歩の差というか、ポストに当たったりとかもあったので、それが1年間やってきたちょっとしたことの差がそこに出ているのかもしれないし、たまたま運が悪かったのかもしれないし。でも、運を味方につけるのも強いチームの力だと思うし、結果 が出なかったのが残念ですね。
 (山形は)本当にいいチームだと思いました。でも、最後にこういう結果になってしまったので、やっぱりサポーターの方々には申し訳ないと思っています。
 (リーグ戦を終えた感想は?)22試合、シーズン後半から先発で全部出れたことはいい経験にはなったと思います。チームの目標でもあった昇格というのは自分にとっての目標でもありましたから、それが取れなかったのが、「残念」という言葉で終わったらつまらないですけど、そういう気持ちですね。

■大島 秀夫 選手
 今日がリーグ戦最後の試合だったので、今までやってきたことを、自分たちを信じてアグレッシフにやるだけだったので、原点に帰るっていうか、やることはひとつしかないっていう感じでやってました。大事な試合だっていうのはわかってますし、いつも気合いは入ってますけど、勝ちたいっていう気持ちは強くもって入りましたし、こういういいシチュエーションでできることをうれしく思いながらやりました。
 相手も集中して守ってたし、僕らももちろん、それをこじ開けようとしてがんばってたんですけど、結果 的にこうなってしまったというのは、まだまだ力が足りないと思います。本当に1日1日が充実してたと思うし、チームもいい調子で、いい雰囲気でいたので、本当に昇格したかったです。
 最後までこういう緊張感ある試合ができたし、いい経験ができました。最後、昇格できれば本当にいいシーズンだったと思いますけど、勝者がいれば敗者がいるので、残念ですけど、この気持ちをバネにまた成長して頑張りたいです。
  (場内1周しているときに、サポーターの声援をどんな気持ちで聞いていた?)本当に申し訳ないというか、一緒にまた入れ替え戦を戦いたい気持ちだったので残念でした。でも、それでもそうやって負けた後もあたたかい声援を送ってもらえて、感謝してます。

■梅田 直哉 選手
 (梅田選手の打った惜しいシュートが2本について)チャンスがあって決められなければまたチャンスを作っていくわけで、いかにシュートチャンスが作れるかが大事だと思います。前半をいい形で終えたので「後半、絶対にチャンスはある。そこに向けて頑張ろう」と思っていました。
 最初のシュートは力まずにというイメージでした。打った瞬間、コースが見えていたので、ポストの内側に入って欲しかったですけどね。2本目はファーサイドに狙っていたんですけど、気持ちが焦っていたんだと思います。今日は「点取れそうだな。流れは来てるかな」と思ったんですけど。次のチャンスにとりあえず1点取れば、うちが全然有利だと思っていたので…。それでも取れなかったのは、最終戦ということで、「固くなっていない」とみんな言っていながらも、どこかしら固かったんだと思います。山形のカラーとして90分間粘り強く守備に攻撃に頑張るのがテーマだったので、監督の言う通 り90分間で点を取れば勝つんだから「前半から焦らず(時間をたっぷり有効に使って)行こう」とは言っていました。でも、1点取られてからやはりみんな焦って来たかな。最初に先制点を許してしまうということは僕らにとって苦しいゲームになるので。
 (勝敗を分けた点は?)僕が点を取るか取らないかという点じゃないでしょうか。
  決めるべきところを決めていれば良い流れになっていたと思うし。でも、気持ちについては、前半からみんな一生懸命やっているというのは出ていたので、ゲームとしてはいいゲームだったと思います。いい内容で攻めていても点を取れなければ、流れが相手に向いてしまうというのはサッカーの面 白いところかもしれません。逆に1チャンス、2チャンスくらいで点を決めてしまうという福岡は、8連勝する勢いを持っているんだなと思います。
 大島くんとのコンビネーションについてはいつもと同じです。基本的には大島くんがポストやって僕は裏に流れてスペースを作って、というのはあります。自分たちが動きを見ながら引いたり流れたりアイコンタクトしながらやっているので、最終節だからといって試合前に話し合うこともなかったです。僕が動いて引き付けてあげれば大島くんのところがフリーになるし、その逆とかお互いに良い形でもらえるように、お互い意識しながらはしています。
 相手のディフェンダーは非常に高さがありましたけど、スピードは通用すると思っていたので、何とか1点こじ開けたかったです。

 最終節を終えて山形というチームを僕なりに振り返ってみると、みんな真面 目な選手が多くてひたむきに練習に取り組み、選手全員で守備をして攻撃をして勝利をもぎ取っていくというチームだと思っています。「派手さはないけど、みんなで頑張っているチーム」という印象です。

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