ホーム開幕戦は、ルーキーの思い切りのいいゴールで幕を開けた。
前半3分、中央に入り込んでから永井へ出したパスが再び佐々木の元に戻ってくると、ペナルティーエリアのすぐ外から思い切り右足を振り抜いた。立ち上がりの緊張感をうち砕くプレーでまずは先制。
芝がはがれやすい悪コンディションの中、佐々木はそれをものともせずに、その後も右サイドを中心に攻撃に絡み続けた。
31分には、その佐々木の放ったクロスが飛び出したキーパーの手を越えてファーサイドの原へ。相手と競り合ったボールはゴール前にこぼれたが、バランスを崩していた原が体制を立て直して追いつき、約1メートルを押し込み、追加点を挙げた。
しかし、その2分後、ゴール前の混戦でクリアボールがこぼれたところを、ゴール前右サイドに位
置していた山崎に押し込まれて失点。前半を2−1で折り返した。
後半に入り、高橋健二に代わり、高木が左サイドハーフに入る。
7分には、コーナーキックから内山がヘディング、左足と立て続けにシュート。11分には永井のミドルシュート、18分には佐々木のロングシュートがあったが、いずれも得点ならず。
しかし20分、左サイドでボールを持った内山に向かって、中央まで攻め上がっていた高木がいったん下がってボールをもらいに行き、ワンタッチで縦にパス。原を経由してボールを受けた永井が、ワントラップ後、落ち着いてミドルシュートをたたき込んだ。これで3−1。
その後、モンテディオは守備意識を重視して試合を進め、甲府にボールを持たせながらもゴール前はしっかり防ぎ、3−1のまま試合は終了した。
試合後、鈴木監督は「ホームの開幕戦ということで多くのサポーターが駆けつけてくれて、今日の開催にあたって雪かきを手伝っていただいて、無事試合をやることができたことを感謝したい。その多くのサポーターと一緒に戦うことができて、勝ち点3を取ることができ、非常にうれしく思っている」と話した。
次節、3月26日はアウェイ。現在首位を走る京都パープルサンガと対戦する。
■原 竜太 選手
点が取れてよかったです。自分のコンディションがいいというのもあるんですけど、チームの戦い方がすごく良くて自分にチャンスが回ってくるというのがあると思うので、チームとして勝てて本当によかったです。
得点シーンは、(佐々木)勇人がボールに行ったときに、裏に抜ける動きが勇人に伝わっていたと思いますし、ちょっとこぼれ球っぽくなりましたけど、最後は詰めることができてよかったと思います。
2試合アウェイが続いたので、早くホームでやりたいと選手も思っていたと思うんですけど、今日は本当にたくさんのお客さんが来てくれて、本当に気持ちよくやれました。今日は移籍してきて初めてのホームだったので、自分のプレーを見てもらうチャンスだったし、ゴールできてよかったです。
(ピッチコンディションについて)しょうがないですよね、雪降ってるわけですし。相手も同じ条件なので。ゴール前が荒れてたので、キーパーのこぼれなり、そういうのは狙っていたんですけど、今日はそういうのはなかったです。
真ん中では(永井)篤志さんと(大塚)真司さんでタメを作ってくれて、中に行ける時は中で勝負しますし、サイドに入れば両サイドをしっかり崩してくれるので、中でフォワードは仕事すればいいという状況です。僕もサイドからの攻撃は練習してますし、自信を持ってやっているので、これからも練習してしっかり合わせて、いい攻撃の形を作っていきたいです。
山形の攻撃が自分のプレースタイルと合っているというか、すごく自分を活かしてくれるような攻撃の仕方なので、それにつながって結果
も出ていると思います。やりやすいし、楽しくやれています。自分のプレースタイルは、スペースに抜ける動きとかが自分の持ち味なので、それが出せる戦い方だと思います。サイドからの攻撃が多くて、すごく崩してくれるので、フォワードは中でしっかり仕事していけば、結果
が残せていけると思うので、その辺を意識してやっています。自分は一人で打開していくというようなプレーヤーでもないですし、使われて点を取るという、今日みたいな泥臭い点だったり、チームがいい攻撃ができるような動きはしたいと思います。
(次節の京都戦について)あんまり、特にないんですけど、チームが勝てればいいと思いますし、勝つことだけを考えてやりたいです。自分は去年、結果
を残せなかったわけなので、成長したかどうかはわかんないですけど、自分の持ち味を出していければいいかなと思います。
(チッコ選手とのコンビネーションについて)練習でいろんなフォワード同士の組み合わせでやっているので、特に問題はなかったですし、チッコはすごくボールをキープしてくれますし、ヘディングも強いので、周りで自分がこぼれとかを狙っていけました。コンビネーションも何本か出たので良かったと思います。
(3点目のアシストについて)高木から来たフリックというか、練習していた形というか攻撃のパターンだったので、高木が僕を見てくれたし、僕も篤志さんを見ていたので、そこに出して。シュートが良かったです、篤志さんの素晴らしいゴールで入って良かったです。
■佐々木 勇人 選手
ここまで活躍できるとは思ってなかったです。びっくりです。サポーターの応援は熱かったです。こんなに多くのサポーターの中でプレーしたのは初めてなので、面
白かったというか、楽しかったです。ピッチの状態が悪いことは別に気にならなかったです。
得点する前に外しているので、『ここで蹴らなきゃやばい』と思いました。
(スピードも運動量の豊富で、疲れも見られないですねと聞かれて)そんなことないですよ。でも、疲れた雰囲気を出さないようにしてるかなあ。(普段の生活で)特に注意している事はないんですけど。1年目なので、がむしゃらに行こうかなとは思ってます。3試合終わって蓄積する疲れはないです。
(ここまでの活躍の理由は?)監督の目指すサッカーが自分に合ってる。例えば、スピードが自分の武器なんですけど、それを活かすサイド攻撃が多いとか。自分の持ち味を出してくれる監督です。でも、どんな監督のもとでも同じようにプレーしていたと思います。3試合先発出場で来たけど、まだ41試合あるので、これで満足してはいけないと思ってます。課題はディフェンスになるときの切り返しです。
■永井 篤志 選手
全体的にうちのペースで行けたんじゃないかな。常に先手先手をとって、常に自分たちが勝ってる状態でゲーム運びができたので、その辺は楽でした。
(得点について)いいトラップができたらその流れで打っちゃおうっていうのは決めてました。トラップがすごく良かったので、その時点で決めてました。下(芝)が悪かったのでトラップがうまくいくかなって心配だったんだけど、弾みもせず、イレギュラーしなかったのでそのまま打つことができました。
去年は大島に頼っていたっていうか、そういうところもあったかなと思います。どこからでも点が取れるようなチームの方が相手にとっては嫌だと思うので、その辺はうまくいってると思います。
(芝の状態は?)ロングボール蹴ろうとしても、ちょっと踏ん張りが効かなくて蹴れませんでした。
(後半途中からポジションもルーズにしていたようだが?)あれは別にやれって言われてやったわけじゃなくて、ああいうこともうちのチームは、中盤はポジションこだわらずやっていこうというのがあるんで、これをやろうよと言われてやったんじゃなくて、選手個人が勝手にやってることです。誰かが左行ったらボランチの位
置に戻ったり。
3試合終えて、チーム内の競争も激しいし、誰が試合に出るかという競争の激しさが、いい方向にチームが行ってるんじゃないですか? 若い選手が多いので、若い選手には負けたくないって思います。
(次節の京都戦について)楽しみです。(星)大輔削ります(笑)。
■林 晃平 選手
(交代時の指示は?)みんな疲れてきていると思うので、守備の面で頑張れ、運動量
を落とさないようにという指示で入りました。
(惜しいシーンもありましたね?)あれはチッコが僕の右にいたんですけど、そこまで余裕がなくてああ(シュートを打ってキーパー正面
へ)なっちゃって。まだまだです。チッコとのコンビネーションも悪くないと思います、今日はそういうシーンはなかったです。
今日はチームが勝ってよかったですけど、まだ個人的には反省と課題ばっかりなので、納得いかない内容だったなと思います。
■桜井 繁 選手
予想以上に芝がめくれてたので、開き直って(しょうがないと)蹴ってました。
予想以上でした。無闇に繋いだりするとリスクが大きいので、そこは『簡単にクリアしろ』とディフェンスには指示しました。神経遣う試合でちょっと疲れました。でも、そんな中で3−1の勝利は大きかったです。みんなグラウンド悪くても集中途切れませんでした。そこが一番良かった点です。
(ゴールキックが昨年と違っていたようですが)今年の僕の目標でもあるんですけど、ただ蹴るんじゃなくて、次の攻撃に繋がるように、どんどん繋げる時は繋げようという意識でやってたんですけど、でも、今日のグラウンド状態ではなかなか出来ませんでした。前半(北側)の方が考えられないくらい軟らかかったです。初めてです。こんなグラウンドでやるのは。でも、雪かきに多くのサポーターの方が力を貸してくれたお陰で、今日、試合が出来たので、ほんとに感謝してます。
チームの一体感というか、仲も良いし、チームワークも最高です。ホームで勝ち点3取れて、ホント良かったです。ほっとしてます。
次は京都戦で強烈な外国人選手がいるようですし、以前山形に在籍した選手も数多くいるので、必ず勝って勝ち点3を取ってきたいです。
■小林 久晃 選手
結果として勝ったというのは、ホームの開幕戦としていい形で終われたなと思います。
芝は予想したよりもすごかったので、特に前半自陣のサイドがひどくてなかなか苦しんだんですけども、後半、向こうも同じ状況になると思って、向こうの陣地でやればチャンスは必ず来ると思っていたので、その中で後半、失点0で抑えたというのはかなりの収穫かなと思います。
前半は押されてたというよりは、こちらからクリアが飛ばなかったんです。別
に崩されてたわけではないです。点を取られたのは、ゴール前でごちゃごちゃして、クリアできた場面
でクリアできなかったりということで、そんなに悲観はしてなかったです。
まだ始まったばかりだし、その中で負けてないというのは大きなことだと思いますが、欲を言えば、失点は0で終わりたかったなと思います」。
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