2005.04.02 J.LEAGUE DIVISION 2 第5節
モンテディオ山形 0-0 アビスパ福岡
前半0-0 後半0-0
入場者数:4.529人
得点者:なし

 Jリーグ通算200試合出場を達成した永井篤志が表彰を受けた試合だったが、その永井は怪我で欠場。中盤の真ん中には外池が入った。

 試合は、途中から互いにパスでつなごうとする時間帯もあったものの、ピッチ・コンディションで思うようにつながらないこともあり、前半からロングボールの応酬が続く展開となった。その中で、福岡がこぼれ球の反応はよく、押し気味に試合を進めた。

 その中で、モンテディオの前半最大の見せ場は29分のカウンター。右サイドの佐々木がクロスを入れると、相手ディフェンダーに挟まれながらゴールへ向かって走る原がスルスルと抜け出し、ペナルティーエリアの中で右のインサイドで合わせた。しかしボールはバー直撃で得点ならず。
 30分過ぎには、今度は福岡がカウンターを仕掛ける。中央からグラウシオがライン裏に縦にスルーパスを送り、有光が抜け出したかに見えたが、これは桜井が飛び出して防いだ。

 後半に入ってもピッチに悩まされる展開は変わらず、両チームとも細心の注意力を持続させる我慢比べのような状況が続いた。
 早めに動いたのは福岡。後半19分に有光に代えて上背のある太田恵介をトップに入れると、同22分には福嶋を喜納に代え、グラウシオをトップに上げた。
 モンテディオは後半30分に高木と交代で林を入れ、右・林、左・佐々木とサイドから崩す狙いがうかがえたが、全体的に守備に追われる中で決定的な場面 が訪れず、0−0のドローに終わった。


■外池 大亮 選手
 本当に厳しい試合だったんですけれども、チーム全体として集中してディフェンスしてしっかり耐えることができたということは非常に大きかったと思うし、点を取るチャンスもありました。ただ、こういう難しい試合の中では、取れるか取れないかということももちろんそうですけど、点を取られなかったことによってしっかり勝ち点を取ることができたというのは非常に大事な積み重ねになっていくと思ういます。(前節の)京都戦で負けたというところからのスタートだったので、進歩があったのではないかなと感じています。
 (ディフェンス面では)グラウンド状況というのもあったし、結構長いボールをどんどん入れてこられたというのがあったので、こっちもやっぱりセーフティにいきたいというのがあったことと、(大塚)真司とのバランスでエリアを意識して、監督からもノーリスクでということだったので、その辺の意識はすごくあったと思います。もちろん、もっとチャンスというか、もっといい形で前でタメができればというのがあったと思うんですけど、なかなかそういうのがなかったし、お互いに前へ早めに入れてこぼれ球をという感じでした。そういう意味では、もっともっといろんな場面 を作り出すということはできたとは思うんですけれども、いま最低限やらなきゃいけない部分というのはすごく意識してやってたし、それをしっかりディフェンスラインと中盤を含めてしっかり表現できたというふうには思っています。
 (こういう芝の状況で心がけたことは?)前半何回かありましたけど、思ってもみないところでバウンドしたり止まったりとか、なかなか、ボールが来るぎりぎりまで次の判断に移れないというのがありました。例えばダイレクトでポンポン出したりというのはなかったですけど、やっぱりそういう難しい中でより確実な選択と、ミスをどうプラスに変えていくか、その辺が非常に我慢の試合になったと思います。
 (前回のホームの時よりは芝の状態が)一見、よさそうに見えたんですけど、実際やってみると意外に。一見よさそうに見える分、結構辛かったりもして。もちろん、取られる部分もあったし、その辺は難しかったです。
 (芝の状態がストレスになった?)みんな足元がうまい選手が多いから、そういう意味では僕以上にそれを感じていたと思います。でもそういう中でもしっかり気持ちを切らさずに、最低限、失点をしなかったということは切れなかったということだと思います。実際、向こうに決定的なチャンスを与えるということも多くなかったと思うので、最後のひとつ手前のところでしっかり耐えられるというのを90分続けられたというのは、必ず今後に生きてくると思います。去年の最終節に負けている相手だし、そういう絶対に負けられない相手に負けなかったということは、絶対大事な進歩だと思います。
 いろんな条件に合わせて選手は動いていかなければいけないし、そういう中で判断して自分たちのスタイルを作っていかなければいけないと思うので、そういう部分で逆にできることというのも見えてくるし、そういうものをどれだけ意識して徹底していくか、それが勝利に結びつく一番大事な手段だと思うので、その辺を意識してこれからもやっていきたいと思います。
 (ゴール前でのヘディングの場面は)あれはもちろんシュートを狙いました。いい形でサイドにボールが出た時は上がっていこうというチャンスだと思ったし、それが、もうひとつ前でとらえられればイメージ通 りだったと思うんですけれども、出して、取って、自分が上がっていくタイミングとか、そういうのが出せたという部分ではよかったと思います。あれをしっかり決めれることが大事なので、次はもっと精度を上げていきたいと思っています。

■大塚 真司 選手
 先週の京都に負けてしまったので、ここで福岡というチームから勝ち点3を取って次の試合につなげていきたかったんですけど、結果 的に引き分けということで、福岡の勝ち点を伸ばさせなかったということと、自分たちも粘り強く戦えたということも収穫だったと思います。ピッチ状態はお互い様なんですけど、とにかく集中力を切らさず我慢して戦えたと思います。もっとチャンスを活かして1−0とかのゲームができればさらによかったですね。
 前半、相手のロングボールに押し込まれてしまいリズムをつかめなかったんですけども、このグラウンド状態の中で自分たちらしいサッカーをみなさんに見せられなかったので残念に思います。もっと自分がどんどんボールを受けて展開していかなければいけないと思います。
 (大塚選手以外、中盤の先発選手は新加入メンバーだったが?)みんないい特徴があるので、そこをみんなやってくれているし、今日もやってくれました。今日はトノ(外池)とボランチだったので、若干前の2トップのサポートに行く意識でやっていました。もうちょっとセカンドボール拾ってからいい仕事をしてチャンスにつなげたかったんですけど、2人で粘り強くプレーできたと思います。

■桜井 繁 選手
 特別、福岡だからといって他のチームと変えたところは僕自身はなかったです。もちろん、人によっては「去年のリベンジだ」とかあったようですが。チームとしては毎試合大切なので、「今回特に?」ということはありませんでした。
 ピッチ状況に関しては、試合の時はもちろんいつも集中はしてるんですが、より集中するというように、ポジティブに考えてやってます。これからも対戦する相手は初めてのピッチですから、こちらが慣れていこうかなと思います。
 去年の最終節の分を取り返したかったんですけど、今回はお預けということで。でも、次につながるかなと思います。0点に抑えたことが一番大きかったです。これまでの4試合は、ずっと納得いくプレーができなかったので、今日は0点によく抑えられたと思います。もちろん、勝てれば一番いいんですけど。

■小林 久晃 選手
 あんまり内容はいいっていうわけじゃなかったし、いいリズムが今日は作れなかったと思うので、まあああいう結果 も今日は良しとしなければならないのかなと思います。まだ始まったばかりだし、ここ2戦、強い相手とやって、今日は連敗しなかったので、それをいい方にとらえようと思います。また次も調子のいい徳島と湘南と続くので、そこではもう勝ちに行って、アグレッシブにやりたいです、今日よりも。
 (昨年最終節の福岡戦がよみがえったりしたか?)そうですね。ただ、もうシーズンが変わって、前とは違ったチームになっているので、そんなに意識はしなかったですね。
 前半、ピンチがあったのは、僕のちょっとしたミスからスルッと抜けられてやられた2本だけだったので、0点に抑えてたし、ディフェンスラインはとりあえずあんまり上がらずに、サイドバックもあんまり上げずに、0点で抑えて少ないチャンスをモノにしようというゲームプランでやっていました。
(まだしばらくはピッチコンディションの悪い状態が続くと思われるが?)(前回ホームの)甲府戦のようにもうちょっと細かいパスをつないでやっていけたら一番いいんですけど。永井さんや(高橋)健二さんが怪我で抜けて、そういう細かいパスっていうのがちょっと少なくなっちゃったかなと思います。でもその分、外池さんはディフェンスの意識が高いので、今日も0点に抑えたし、プラスの面 もあると思います。代わった選手の特徴を活かしたサッカーをしていけばいいと思います。

■佐々木 勇人 選手
 
(ピッチの状態が悪かったが)自分としてはドリブルも結構仕掛けられたし、よかったと思います。(ピッチ状態が悪くても)そんなに疲労やストレスはないです。蹴る瞬間は気を遣いますけど、特にスパイクを替えるとかの対策もやってないです。多少は影響があるとは思いますけど、蹴って走ればいいので。
 (後半、左サイドに入ったが違和感は?)いや、別になかったです。左だから、中に切り返して右で打てますし。
 (今日は4本とチームで1番多くシュートを打っているが?)そうですね、グラウンドが悪かったので、シュートを打てば何が起こるかわかんないじゃないですか。それで打ってました。中盤はプレッシャーが速くて、全然ボールが回せなかったですね。

■林 晃平 選手
 納得いってないです。全然。僕的にディフェンシブだったので。 リズムに乗れないまま試合が終わったって感じです。
 失点するのが怖かったので、右サイドに行った時も少しディフェンシブ的なポジションをとってしまったっていうのがあって、そのため攻撃した時にちょっと距離ができてしまいました。もっとボールを持ったら攻撃的に行けばよかったと思います。でも、状況が状況だから、どちらも点をとるのは難しい試合でした。そんなこともあって「最悪勝ち点1は取らないと」と思っていたので、リスクを負ってまで前に出ようと思わなかったということです。
 (ピッチに関して)ドリブルを仕掛けるのにこのピッチ状態は相当悪いです。前のホームゲームの時もそうだったんですけど、スパイクが(グラウンドを)かめないので、一歩目で“クッ”と行った時に芝が滑ってしまって。でも、それはもうみんな同じ状況なので。でも、慣れていくしかないんじゃないですか。

■原 竜太 選手
 
(いつも通りの山形のサッカーができればチャンスは多くなるんですけれども、今日はグラウンド状況もあったし、相手の戦い方というのもあったので、ちょっといつもらしい試合というのができなかったです。チームとしてのチャンス自体はいつもより少なかったと思います。
 (佐々木選手とのコンビネーションについて)場所を問わず、勇人が打った時に、一番確率の高いところと来そうなところに行くようにしていて、今日もいい具合に来たので決められればよかったんですけど。(前半29分のシーンは)もうちょっと抑えて打てば良かったんですけど、ちょっと浮いちゃった感じになって。狙いとしては、形的にもよかったですし、もっとしっかり練習して精度を高めていけばいいかなと思います。
 みんな個人個人が持ち味というか、しっかりつないでというのがありますが、しっかりつないでも、ゴール前とか逆に危ない場面 もありましたし、グラウンドの状況によってしょうがないというか。長いボールが多くなっちゃって、その長いボールも相手の裏に決定的なボールが出れば逆にチャンスだったかも知れないですけど、相手に跳ね返されちゃう場面 が多かったので、後ろの人と前の人の精度をお互いに上げていければいいと思います。グラウンドの状況も一気によくはならないと思うので、それをしっかりしていかなければならないと思います。攻撃的な面 で考えれば、相手のキーパーはいやなグラウンドだと思うし、何が起こるかわからないので、狙っていきたいですし。チーム的にはディフェンス的に危ない面 はセーフティにしっかり、今日も0で抑えてもらえたので、あとはフォワードがしっかり点を取れれば勝てた試合だったと思うので、その辺は攻撃面 の課題が出たと思います。
 (ピッチコンディションは前回のホームと比べてどうか?)多少はよくなっていると思いますけど、たいした変わりはないと思います。滑るというよりも、踏ん張った時に身体を持っていかれちゃうので、踏ん張りが効かないというのがあります。

■高木 和正 選手
 自分の持ち味を伝えたかったんですけど、下が悪かったというのもあって、結構、ディフェンスラインの前線に蹴る部分が多かったんで、中盤で拾うという形でやってました。
前半は相手も前へ前へ来ていたんで、下が悪いっていうのもあったしセーフティにということで、後半になってだんだんボールも回るようになっていきましたが、リズムに乗ったときに点が取れなかったということが残念です。
(ディフェンス面で気をつけたことは?)相手の右サイドバックがロングボールを蹴ってきて、有光が走ってくるというのが分かっていたんで、そこをケアしようということと、右サイドハーフにボールが入ったときに挟みにいくというのを意識してやりました。
(引き分けという結果については?)勝ちたかったですけど、負けないというのが大事だし、勝ち点1を取れたということで、次につながると思うんで、次は絶対に勝ちたいと思います。

■秋葉 勝 選手
 (今季初出場で)もっと出たかったですし、もうちょっと(攻撃的に)行きたかったです。
 あそこでシュートを打ちたかったんですけど、打てなかったのが悔しいです。来る前は「右足で持ったらシュートを打とうと思ったんですけど。打てなくて悔しいです。ボールが来た軌道にボコボコがあったんですよ。それでそこにちょうどぶつかってバウンドが変わってという感じで。トラップとか神経遣いましたけど、神経遣ったわりにはあのトラップで、みたいな感じでちょっと…。
 こういうピッチは今まで経験なかったです。雨が降った時に同じような状況もありましたが。それとも状況が違うと感じました。
 次に向けて頑張っていきたいです。


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