2004.8.8 J.LEAGUE DIVISION 2 第26節
モンテディオ山形 vs 京都パープルサンガ

京都パープルサンガ・柱谷幸一監督

「最近の試合は、かなりチャンスをつくりながらなかなか得点ができなくて引き分けるというゲームが続いていたので、今週はボックス内のシュートのトレーニングを徹底的にやりました。
 チャンスはつくれるものの、なかなか得点ができない。そういう展開が今日もいくつかあったんじゃないかなと思います。特に立ち上がりですね。10分か15分の間に2、3回あった。そこで決めきれると、その後のゲームを楽に進めることができると思うんですけど、決めきれなかった。
 ただ、結果的にこのゲームを逆転勝ちで勝った。これまでサンガは先に点を取られると、追いつくものの、逆転勝ちっていうのが1試合もなくて、こういうゲームを勝ちきっていくっていうことがチームの自信にもなりますし、これからの昇格レースの中でいいゲームができたんじゃないかなと思います。
 途中から出た選手も、黒部を含めて非常にいい仕事をしています。いいトレーニングの中で全体のレベルが、若手を含めてどんどん上がってきてるので、この後、累積警告や怪我人がまた出てくると思いますけれども、その中でもいいパフォーマンスを発揮していけるんじゃないかなと思います」

――これまで逆転勝ちがなかったということですけれども、今日逆転勝ちできた要因っていうのは、監督からどう思いますか?
「ひとつは、やはり選手たちの粘りだと思うんですよね。最後まであきらめない。1点取られても最後まで闘う姿勢を崩さない。1点を取った後も、もう1点を取りに行く。常にそういう姿勢がないと逆転勝ちっていうのはできないので、あきらめないで闘う、そういうものが逆転勝ちにつながったんじゃないかなと思います。
 先ほども言いましたように、チャンスをかなりつくれている。黒部を入れて、クロスをどんどん入れていこう、と。その中で、2人(崔と黒部)の頭の強さを活かせる展開にできたっていうのが、逆転勝ちできた原因じゃないかなと思います」

――去年までいた山形との対戦となりましたが、率直に、今日の山形の感想をお願いします。
「非常に一人ひとりのレベルがかなり上がっているという感じがしましたね。フィジカルも非常に強いですし、闘えるって言うんですかね。それと、新しい選手が何人か入ってきて、彼らが非常にチームとしてフィットしているというか、機能しているというところが、山形の強さじゃないかなと思います。特にやっぱり、大島がかなり良くなりましたね。ボールキープ、頭の強さがあって、あとはゴールに向かう姿勢っていうのが、これまでは少し欠けてる部分があったのが、かなり強気に、ゴールに向かってプレーできるようになったのが、今の彼の好調の原因につながってるんじゃないかなあと思います」

――今日の大島の先制点は、敵ながらあっぱれという感じでしょうか?
「それよりもねその前の(星)大輔のプレーが非常に良かったですよね。あそこの1対1で抜き切れて、逆サイドのポストまでクロスを回せるっていうのは、大輔にしかできないでしょうね。非常にいいプレーでしたね」

――後半、山形にサンガが追いついてから、(山形も)攻め残りみたいにして3人ぐらい残っている。その中で、ラインを引かずに、かなりアグレッシブに行かれたのは、あれは監督が指示されたんですか?
「押し込まれても、しっかりラインを上げてコンパクトな中盤をつくらないと、そこを突かれる、と。特に前半はラインコントロールができてなくて、ボールが下がってるのに全然ラインが上がらない。その間をかなり使われてたので、後半に入る時に、『もっとボールが下がったらラインを上げて、中盤との間を詰めろ』と。それともう一つは、自分たちが攻めてる時の準備ですよね。ちょっと(金)徒均が前に掛かりすぎたところがあって、途中で何度も徒均に言ったんですけれども、常にディフェンスラインの前に徒均がポジションを取っておけば、相手に速攻はされないですし、サイドを崩されても、最終的には徒均が頭でクリアできますから、その辺のところの理解が少しなかった気がしますけども、非常に選手たちはディフェンスラインも含めて全員の出足も早かったですし、守備の意識っていうのがかなり上がってきたんじゃないかなと思ってます」






モンテディオ山形・鈴木淳監督

「まず、非常に残念な敗戦です。
 いい形で前半を終わることができたんですけども、立ち上がり15分までに絶対に失点をしないようにということだったんですけども、そこで2失点してしまって、向こうの思うツボで、後は時間が経過していったっていうことだと思います。
 前半に関しては、ある程度向こうも勢いがあって、ボールもつながれるだろうなということで、そこのところはある程度回されるのはしょうがないけれども、守備のところでしっかりゲームをコントロールしなさいということだったんですけども、それが前半はよくできたと思います。
 後半に関して、やはり黒部が入ってきて、ロングボールを単純に入れてきて、それをなかなか弾くことができなかった。で、セカンドボールもなかなか拾えなかったわけですけども、大塚にもう少しセンターバックの近くでセカンドボールを拾うように指示したんですけども、前戦との距離が長くなってしまって、コンパクトに保てずにセカンドボールが拾えなかったということだと思います。
 全体的に、1点取ってちょっと消極的になってしまったかなというような気がします。もうちょっと1点取ったところでも積極的にいけれ花という感じがしています」


――大島選手で勝負できない状況があったようなんですが、それは間が開いちゃって、ボールをもらいに行っちゃったというように部分はあるんでしょうか?
「大島で勝負できないというか、1点取ってますし、クロスはいいポジションに入って来たと思うんですけど、相手の萩村が結構いいポジションで大島の動きを封じてたかなと思います。それから、くさびのボールに対しても、しっかりセンターバック2人で対応されたかなという感じがします」

――後半に黒部選手が入ってからのロングボールのところなんですが、その辺りの対応っていうのは、試合の中で修正とか指示は出していたんでしょうか?
「今申し上げたように、大塚にもうちょっとセンターバックに近い所を取って、そのこぼれを拾うということで、選手を代えて高いのを入れるというのは、今のメンバーの構成の中ではできませんので、そういう対応で、大塚にうまくこぼれを拾うように指示しました」

――黒部選手が入ったことで、前半とはだいぶやり方が違ったんでしょうか?
「そうですね。ただ、後半の立ち上がりに、秋葉に決定的なチャンスが来たんですよね。前半の最後にPKのチャンスもあったし、その2回のチャンスを1回でも決めていれば、流れがまたこっちにぐっと来たんですけど、サッカーってそういうもので(笑)、そこを決めれなければまた相手のところに流れが来るということで、最終的には守備のほころびが出てしまったんですけど、あの辺の決定力っていうのも課題じゃないかなと思います」

――京都戦はこれで3敗ということなんですけど、結果としてそうなっているだけなのか、それとも何か要因が考えられるのか、どうですか?
「やはり長いボールを使って、黒部、崔龍洙に合わせてくるのになかなか対応しきれてないということだと思います」

――今日の中村幸聖選手の出来はどうだったでしょうか?
「守備のところは非常に貢献してくれたと思うんですけど、攻撃のところでなかなか起点になれなかったかな、ということで、前半の終わりにも、大島とポジションチェンジを繰り返すように、それから相手のギャップ、バイタルエリア(好守において重要なエリア)のところに入るようにって指示を出したんですけれども、なかなかそこのポジションに入ることができなかったかなと思います」

――後半に、林晃平選手、根本選手を投入した後の展開というのは、どのように見ていましたか?
「あそこで勢いをつけて、外から放り込んで根本が行ったように、ああいう形で流れが少しこちらに来たということで、後半の半分過ぎからは、向こうも運動量 が落ちてくるだろうっていうことはあったので、その辺を見越して林と根本を入れたわけですけども、入って良くなったというふうには思います」

――次節まで中2日ですけども、修正点などはありますか?
「京都と仙台でやり方はまったく違うと思いますので、また仙台の対応の仕方を考えていくということと、修正と言ってもほとんど2日しかないので、フィジカル的なコンディションをもう一度取り戻すために、しっかりとリカバリーをやるっていうのが主になって来るのかなと思います」

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