目指すはただひとつ
みんなの心を合わせ「J1昇格」へ、
いざ出陣!
「2月28日、午後5時15分。「モンテディオ山形2005 J2リーグ出陣式」の看板が掲げられた山形市民会館前には、開始45分前にもかかわらず、既に100名ほどのサポーターの列が出来ていた。春の訪れはまだまだ先…と思わせるような寒さだったが、昨シーズン最終節以来初めて会った顔見知り同士が「今年もよろしくお願いします」と、新年さながらにあいさつし合うなど、そちらこちらにサポーターの輪ができていた。
2人の子どもを連れて駆けつけた山形市の女性サポーターは、「シーズンオフは、過去のゴールシーンを観たり、新しく作るゲーフラのデザインを考えたりしながら過ごしてましたが、ドキドキワクワク、早くモンテの試合が見たくてホントに待ち遠しかったです。もう、気合は十分です!」と、いよいよ週末に迫った開幕戦に、早くも心を躍らせている様子だった。
午後5時30分、開場。スポーツ山形21スタッフのにこやかなあいさつに出迎えられ、選手紹介リーフレットとステッカーを受け取り、大ホール内へ。
入場者プレゼントのキラキラ光るステッカーには、モンテディオ山形のロゴと、クラブスローガン「INNOVATION」、チームスローガンがプリントされている。
大ホールのステージ中央には神事の祭壇がしつらえられてあり、そして舞台の両袖にはサポーターによる計11本の大旗部隊がスタンバイ。ゲーフラやフラッグ、タオルマフラーを手にしたサポーター約600名(クラブ発表)が次々と客席を埋めていく。
ステージの真ん前に陣取っていたOL2人組は「今日は待ちきれなくて5時前から並んでました!」と声を弾ませた。
午後6時を少し回った頃、「オーバー・ザ・レインボー」をBGMに、選手たちがいよいよステージ上に登場した。男性DJの力強い選手紹介にのせて、早くもヒートアップしたサポーターの大きなコールに、片手を挙げて応える選手たち。
ミスターモンテディオ・高橋健二選手の登場には、開場から一段と大きな拍手と声援が沸いた。
ニコニコ、満面の笑顔でペコリとお辞儀したのは川崎健太郎選手。周囲を明るくする健太郎スマイルは今季も健在!
新加入選手たちの、それぞれの緊張感漂うキリッとした目つきが、厳しいキャンプを乗り切った自信を感じさせる。
そして最後に、鈴木淳監督が登場。 「鈴木淳! 鈴木淳! 鈴木淳! 鈴木淳!」
サポーターの大声援が、ステージを包む。
続いて登場した金森義弘スポーツ山形21理事長と固い握手を交わす鈴木監督。
神主によるJ1昇格必勝祈願神事の後、金森義弘スポーツ山形21理事長が、会場の多くのサポーターの出席に対するお礼の言葉を述べ、続けて「選手1人1人が、自分の持っている力を十二分に発揮し、そして激烈な練習によく耐えてくれた。選手はよく走り、攻め、守り、今年のモンテディオ山形は非常にいい仕上がりのチームになっている」と関東遠征の練習試合で受けた印象を語った。そして「サポーターの皆さんの支援がなければ、J1昇格の夢は叶いません。ぜひ天童のピッチにお越しいただき、強いご支援をいただきたい」と、更なる支援を呼びかけた。
この後、「モンテディオ山形を愛してやまない山形県民の代表として激励の言葉を」と齋藤弘山形県知事の激励のあいさつ、おいしい山形推進機構・パールライス山形からのはえぬ
きの米俵と激励金の贈呈と続き、選手代表の阿江孝一選手と鈴木監督が受け取った。
また、鈴木監督・手倉森浩コーチ・高橋健二選手に、かわいいちびっ子サポーター4人から花束が贈られた。
以上の激励のセレモニーの後、答礼として鈴木監督がマイクを握った。
「いつもお見かけする顔がいて安心しました」
サポーターに向かって笑顔を見せ、観客席をワ〜ッと和ませた後、「今シーズンの目標はズバリJ1昇格です。これはもう間違いなく達成したいと思っています」と、晴れ晴れと自信に満ちた表情できっぱりと言い切り、チームスローガンのもと、「アグレッシブに、技術の精度を高め、隙のないキリリとした状態で試合に臨み、戦っていく」と決意を表明。「ピッチ上の選手はサポーターの分身でもあります。みなさんの応援がいかに選手に力を与えてくれるか、我々は皆さんの力を期待して44試合を全力で戦っていきます」と、サポーターも全力でサポートをという願いも込めながら、力強くあいさつした。
この日の式次第も終わりに近づいた。
クラージュ代表・小笠原友彦会長のエールに続き、サポーターの「ヤマガタDIO! ヤマガタDIO!」の大合唱に送られ、選手たちは2列に分かれ、ステージからサポーターのいる客席へと降り、ホール出口まで歩いていく。
「がんばって〜!」「怪我するな!」「スタメン獲れよ!」
両脇をズラリと囲んだ大勢のサポーターたちから、選手1人1人に、激励の声が飛び交った。
長いシーズンオフを過ごし、ようやくお目当ての選手を間近にした若い女性ファンの、悲鳴にも似た声援も入り混じる。
入場したときはやや緊張の面持ちだった新加入の若手選手たちにも、笑顔がこぼれていた。
会場を出た選手たちは、その足で福島県・Jヴィレッジでの開幕前合宿へと向かった。
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